産業廃棄物の許可と緑ナンバーについて、これほどまでに誤解とグレーゾーンが混在しているテーマは他にないといえるのではないでしょうか。
結論からいうと、産廃の許可と緑ナンバー(運送業の許可)は全く別物です。
今回は、産廃業を営む上で避けては通れないナンバープレート問題について、許可の判断基準と注意点を解説します。

緑ナンバーと白ナンバーの違いとは?

緑ナンバーと白ナンバーの違いを理解していないと、知らずに法律違反(無許可営業)をしてしまう可能性があります。

区分ナンバーの色定義根拠法令
自家用白ナンバー自社の荷物(商品や廃棄物)を運ぶための車両道路運送法
営業用緑ナンバー他人の荷物を運賃を受領して運ぶための車両貨物自動車運送事業法

ここで重要なのは、産業廃棄物収集運搬業の許可はあくまで廃棄物を扱うための免許であり、車両の区分を規定するものではないという点です。

産廃収集運搬に緑ナンバーが必要なケースと不要なケースとは?

誰のゴミを、どんな契約で運ぶかによって決まります。

①緑ナンバーが不要なケース

自社物輸送(自ら運搬)

自社が出したゴミ(建設現場の元請として出した廃棄物など)を、自社の白ナンバー車で処分場まで運ぶ場合。これは自分の荷物を運んでいるだけなので、運送業には当たりません。そもそも、この場合は産業廃棄物収集運搬業の許可自体も不要です。

②緑ナンバーが必要なケース

他人から委託を受けて運ぶ場合(収集運搬業)

排出事業者から委託を受け、運搬費を含む料金を受け取って産廃を運ぶ場合です。
多くの自治体では、産廃収集運搬業の許可申請自体は白ナンバーでも受け付けてくれます。しかし、産廃の許可がある白ナンバーで他人の廃棄物を運んでいいという意味ではありません。
実務上、他人の廃棄物を運んで運賃を受け取る行為は、貨物自動車運送事業法における運送業に該当します。つまり、厳密には産廃収集運搬業の許可と一般貨物自動車運送事業の許可(緑ナンバー)の両方が必要になるのが原則です。

なぜ産廃は白ナンバーでも良いという誤解が生まれるのか?

白ナンバーで産廃収集運搬を行っている業者は少なくありません。なぜこれがまかり通っているのでしょうか。

①運送ではなく処分の一部とみなす解釈

かつては、収集運搬料金がゴミの処理費用の中に含まれており、純粋な運賃ではないという理屈で白ナンバーが黙認されていた時代がありました。

②自治体の審査基準

産廃の許可を出す行政庁は、車両が飛散、流出しない構造かはチェックしますが、運送事業法に違反していないかまでは、審査の対象外としていることが多いのが実情です。
しかし、近年はこの解釈にメスが入っています。国土交通省は他人の荷物を運んで対価を得る以上、産廃であっても運送業の許可が必要というスタンスを明確にしています。

白ナンバーで他人の廃棄物を運ぶリスク

みんなやっているから大丈夫という判断は、これからは極めて危険です。

貨物自動車運送事業法違反

無許可での営業用運送(いわゆる白タク行為)とみなされると、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金という非常に重い罰則が科せられます。

コンプライアンスによる失注

ゼネコンや排出事業者は、今や緑ナンバーであることを取引の条件にしているケースが増えています。不適切な車両での運搬は、排出事業者側のリスク(不法投棄への加担疑いなど)にも繋がるため、厳しくチェックされます。

許可取得の判断基準

これから産業廃棄物収集運搬業を始める、あるいは見直す方は、以下の基準を参考にご判断下さい。

①専ら自社のゴミを運ぶ

白ナンバーでOK(産廃許可も不要な場合が多い)。

②他人のゴミを運んで、営業活動を行いたい

緑ナンバーと産廃許可が必要です。

③建設業などで、下請として現場のゴミを運びたい

基本は元請が運ぶべきですが、下請が運ぶ場合は、産廃許可が必要です。この際、運搬費が工事費と明確に分けられている場合は、緑ナンバーを検討するべきです。

まとめ

産業廃棄物収集運搬を事業として継続していくなら、運送業の許可と産廃の許可、両方を取得することが最もクリーンで安全な経営スタイルです。
法律の解釈は年々厳しくなっています。少しでもご判断に迷われた場合は、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」