建設業に限らず人手不足の問題は、経済全体の問題となり、久しいですが深刻な人手不足に悩む皆様に向け、制度の肝となる特定技能の受け入れについて解説します。
2024年の時間外労働上限規制を経て、建設業界における外国人材への期待はかつてないほど高まっています。
しかし、建設分野の特定技能は、他業種に比べて独自のルールや二重の審査があり、非常に複雑です。
今回は、最新の制度変更を踏まえ、スムーズな受け入れのための手順と注意点を解説します。
建設分野における特定技能の現状と業務区分
かつての建設分野は19の細かい区分に分かれていましたが、現在は利便性を高めるために以下の3区分に統合されています。
・土木:型枠、鉄筋、コンクリート打設、土工など
・建築:左官、内装、屋根、塗装、とびなど
・設備:給排水、電気通信、空調設備など
これにより、例えば建築区分で雇用すれば、大工だけでなく内装や塗装といった関連業務にも柔軟に従事させることが可能になりました。
受け入れまでのフロー
他業種と大きく異なるのは、出入国在留管理局(入管)への申請前に、国土交通省による受入計画の認定が必要な点です。
具体的な手続きの流れ
①JAC(建設技能人材機構)への加入
受入企業はJACの正会員(建設業団体)または賛助会員である必要があります。
②CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録
企業と外国人本人の双方が登録必須です。
③建設特定技能受入計画の作成・申請
国土交通省(オンライン)に申請し、認定証を取得します。これは審査に1~2ヶ月程度です。
④在留資格(ビザ)の申請
入管へ特定技能1号の申請を行います。
⑤就労開始・巡回指導
就労後、FITS(建設技能振興機能)による適切な就労環境の確認が行われます。
建設業独自の厳しい要件に注意!
特に不備が生じやすいのが以下のポイントです。
①報酬基準(日本人と同等以上)
特定技能外国人の給与は、同等の経験を持つ日本人と同等以上でなければなりません。
建設業の場合、経験年数に基づいた昇給体系が明確であるかどうかが厳しくチェックされます。
②受入負担金の支払い
JACに対し、外国人1人あたり月額12,500円(年額15万円)の受入負担金を支払う義務があります。これは他業種にはない建設業固有のコストといえます。
③社会保険の完全加入
建設業許可と同様、社会保険への加入は必須条件です。また、住民税の特別徴収(給与天引き)も徹底されている必要があります。
技能検定とインセンティブ
2025年移行、さらに特定技能2号への移行を目指す動きが加速しています。2号になれば家族の帯同が可能となり、在留期間の上限もなくなります。
また、JACによる資格取得等奨励金制度が開始されており、対象の技能検定に合格した外国人や企業に10万円が支給されるなど、手厚い支援策も整ってきました。
失敗しないためのアドバイス
「書類さえ出せば通る」と安易に考えると、計画認定の段階で指し戻しを受け、雇用開始が数ヶ月遅れるケースがあります。特に注意すべきはCCUSの登録内容と雇用契約書の整合性です。
工期の遅延リスクを避ける
認定から入管審査まで最短でも3~4ヶ月はかかります。逆算した採用計画が不可欠です。
付随業務の範囲を守る
本来の専門業務以外の付随業務、例えば清掃や片付けといった業務が、全作業時間の半分を超えないよう管理が必要です。
まとめ
建設分野の特定技能は、入管法だけでなく、建設業法やCCUSの運用など、多岐にわたる知識が求められます。
「国土交通省へのオンライン申請が複雑すぎて手がつかない」といったお悩みがあれば、ぜひ一度、当事務所へお気軽にご相談ください。貴社の状況に合わせた最適な受け入れ案を提案し、複雑な書類作成、申請を代行したします。
「グラス湘南行政書士事務所」