宅地建物取引業の免許を申請する際、事務所の平面図の作成があります。ただの間取り図でいいのではと思われがちですが、実はこの平面図、行政庁がその場所で本当に適切に宅建業が運営できるかを判断するための非常に重要な書類です。
今回は、神奈川県の手引きに基づき、宅建業免許申請における平面図の役割と、失敗しない書き方のポイントを解説します。
なぜ平面図が必要なのか?
宅建業免許を受けるためには、事務所が継続的に業務を行える実態があり、かつ他から独立していることが必須条件となります。これを事務所の独立性と呼びます。

平面図を提出する主な目的は、以下の3点を確認するためです。
・独立性の確認:他の法人や居住スペースと明確に区別されているか。
・実態の確認:実際に仕事をするための机や椅子、接客スペースが確保されているか。
・標識の掲示:業者票や報酬額表などの法定の掲示物を置く場所があるか。
たとえ、ビル一棟丸ごと自社ビルであっても、あるいはワンルームマンションの一室であっても、平面図の添付は必須となります。
平面図作成における3つの鉄則
神奈川県の手引きには、作成時に必ず守るべきルールが明記されています。特に重要なのが以下の3点です。
①独立性を証明する
最も審査が厳しくなるのが、一つのフロアを他社と共有している場合や、自宅の一部を事務所にする場合です。
他社と同居の場合
他社の事務スペースを通らずに自社の事務所へ入ることができるか。入り口から自社スペースまでの動線を明確にし、パーテーション等で区切られている様子を図示する必要があります。
住宅の一部を使用する場合
玄関から他の居室を通らずに事務所に行ける構造でなければなりません。生活部分と完全に切り離されていることを図面上で証明します。
②レイアウトを詳細に記載する
・事務用机・椅子
・接客用テーブル・椅子
・電話・パソコン・FAX
・書庫(棚)
これらの配置を正確に記入してください。これらがあることで即座に宅建業を開始できる状態であることをアピールします。
③業者票・報酬額表の掲示場所を明記する
宅建業法で義務付けられている業者票と報酬額表をどこに掲示するかを図面に書き入れます。これは壁面でも、カウンターの上でも構いませんが、お客様から見えやすい位置であることが必須です。
具体的な書き方とサンプル解説
神奈川県の参考様式を見ると、書き方のイメージが湧きやすくなります。
図面に含めるべき項目
①商号又は名称:申請する会社名(個人の場合は屋号)。
②免許番号:更新の場合は現在の免許番号。
③周辺状況:事務所の入り口、エレベーター、廊下、共用部。
④内部レイアウト:机、椅子、応接セット、パーテーションの配置。
⑤掲示物:業者票、報酬額表の設置位置。
形式について
様式は任意で指定の様式はありません。また手書きでもよく、定規を使って丁寧に書けば、問題ありません。もちろんCADやエクセルなどで作成したものでも構いません。
寸法については厳密な縮尺でなくても構いませんが、全体のバランスが取れている必要があります。
よくある失敗・注意点
写真との整合性
免許申請では、図面と一緒に事務所の写真も提出します。
・図面には机が3台あるのに、写真には2台しか写っていない。
・図面でパーテーションがある場所に、写真では何も置いていない。このような図面と写真の不一致があると、補正の対象となり、免許交付までの時間が大幅に遅れてしまいます。
通り抜けの禁止
他人のスペースを横切るレイアウトが原則として認められません。もし構造上どうしても通り抜けが発生する場合は、高さ180cm程度以上の固定式のパーテーションを設置して、専用の通路を確保するなどの対策が必要です。
まとめ
宅建業の平面図は、事務所要件を満たしていることを証明する立証資料といえます。
・独立性が保たれているか?
・事務設備は整っているか?
・写真と一致しているか?
これらを意識して作成すれば、スムーズな申請が可能になります。
ご自身の事務所の構造で許可が下りるか不安に思われている方は、当事務所までご連絡ください。図面作成から写真撮影、書類作成までトータルでサポートさせていただきます。
「グラス湘南行政書士事務所」