宅建業の免許申請は、書類を揃えるのみならず、事務所の実態や専任の宅建士の常勤性をいかに証明するかが鍵となります。提出書類が多岐にわたり、一つでも不備があると受理されなかったり、審査が大幅に遅れたりすることもあります。
今回は、神奈川県知事免許(新規申請)を例に、どのような書類が必要なのか、ポイントを絞って解説します。

法定の申請書類(第一面から第四面、他)

まずは、規定の様式に従って作成する書類です。これらは「申請書」そのものといえます。

免許申請書(第一面から第四面)

商号、主たる事務所の所在地、役員の氏名、専任の宅地建物取引士の氏名などを記載します。

宅地建物取引業従事者名簿

非常勤役員や事務員を含め、宅建業に従事する全員を記載します。

専任の宅地建物取引士設置証明書

事務所ごとに置かなければならない専任の取引士が、法定の人数(5名に1名以上)満たされていることを証明します。

欠格事由に該当しない旨の誓約書

代表者や役員、専任の宅建士などが、法律で定められた欠格事由に該当しないことを誓約します。欠格事由には、破産者でないこと、暴力団員でないこと等が挙げられます。

相談役・顧問、株主・出資者名簿

法人の場合、発行済株式総数の5%以上の株式を有する株主などを記載します。

事務所の形態を証明する書類

神奈川県の審査において最も注意が必要なのが、この事務所に関する書類です。宅建業の事務所は、他の事業や居住スペースから明確に独立していることが求められます。

事務所の付近見取図

最寄り駅から事務所までの経路がわかる地図です。

事務所の平面図

事務所の間取り、机の配置、応接スペースなどをmm単位で記載した図面です。

事務所の写真

神奈川県は写真の撮影方法が細かく指定されています。

①建物の全景(1階入口などがわかるもの)
②建物の入口(テナント看板等がある場合)
③事務所の入口(業者名入りの表札や看板が掲示されていること)
④事務所の内部(全景、接客スペース、専任の宅建士の席が確認できるもの)

パーテーションで区切られている場合、その高さや構造がわかる写真も必要です。

事務所の使用権原を証する書類

自社ビル・自宅の場合:建物の登記事項証明書
賃貸の場合:賃貸借契約書のコピー(使用目的が事務所となっていること。居住用となっている場合は、貸主の使用承諾書が別途必要。)

人に関する証明書類

役員や専任の宅建士が、宅建業を営む上で適切な人物であることを証明します。

身分証明書

運転免許証やパスポートなどの身分証明書とは異なり、本籍地の市区町村が発行するもので、破産手続きの開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しないことの証明です。

登記されていないことの証明書

法務局が発行するもので、成年被後見人、被保佐人に該当しないことを証明します。

住民票

専任の宅建士については、住所確認のために必要です。この住民票はマイナンバーの記載がないものを取得します。

専任の宅地建物取引士の顔写真

申請前6ヶ月以内に撮影したカラー写真(縦3cm×横2.4cm)が必要です。

財務状況・納税を証明する書類(法人の場合)

会社が健全に運営されているか、税金を納めているかを確認されます。

貸借対照表および損益計算書

直近1期分の決算書が必要です。新設法人の場合は、開始時の貸借対照表です。

法人税の納税証明書(その1・納税額等証明用)

管轄の税務署が発行する、直近1年分の証明書です。

法人の登記事項証明書(履歴事項全部証明書・原本)

目的欄に宅地建物取引業などの文言が入っている必要があります。

神奈川県特有の注意点と提出方法

神奈川県知事免許の申請にあたっては、以下の点に留意してください。

提出部数:正本1部、副本1部の計2部を準備します。副本はコピー可ですが、受領印をもらって自社の控えとします。
申請手数料:33,000円(神奈川県収入印紙にて納付します)。
提出先:神奈川県知事免許の場合、横浜市にある神奈川県 県土整備局建設業課の窓口へ持参、または郵送にて提出します。

まとめ

宅建業免許の申請書類は、提出書類も多く、また内容の整合性が厳しくチェックされます。特に事務所の写真や間取り図は、実態と異なると判断されれば再撮影や修正を命じられ、免許交付までの期間が延びてしまいます。
最短で開業を迎え、スムーズにビジネスをスタートさせるためには、手引きを熟読し、不備の無い書類を作成することが不可欠です。
貴社の事務所予定地が宅建業の要件(独立性)を満たしているか、写真や図面を基にアドバイスさせて頂くことも可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。
グラス湘南行政書士事務所