SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が浸透して久しいですが、建設業界においては、許可の維持、受注競争力に直結する経営指標へと変わりつつあります。
SDGsに取り組む企業が優遇される傾向にあるのも事実です。
今回は、SDGsに取り組む企業が、建設業許可に今後どのような影響があるのか解説します。
※今回の記事は、私の独断と偏見が混じります。今後の影響を保証するものではありませんのでご了承ください。
経営事項審査(経審)における実利の変化
行政書士として最も注目しているのは、公共工事の入札に関わる経営事項審査(経審)の評価項目です。SDGsの17の目標は、経審のW点(その他の審査項目)と非常に親和性が高く、近年、立て続けに加点対象が拡大されています。
環境への配慮
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)やZEHの普及への貢献、エコアクション21の取得などは、すでに加点対象や自治体の独自評価として取り入れられています。
働きがいと経済成長
CCUS(建設キャリアアップシステム)の導入・活用、女性技術者の登用、若手入職者の確保は、経審において非常に大きなウエイトを占めるようになりました。
産業の技術革新の基盤
ICT施工の導入やDXへの取り組みは、生産性向上として間接的に経営状況分析(Y点)の向上に寄与します。
令和7年の改正建設業法がもたらす決定的な変化
令和7年間から令和8年にかけて施行される第三次担い手3法は、まさにSDGsの精神を法律に落とし込んだものといえます。
これまで、努力目標だった労務費の適切な確保や著しく短い工期の禁止が、法的な義務や勧告の対象となりました。今後、SDGsの視点で、持続可能な労働環境を整えていく必要が企業には求められていくと思われます。
令和7年12月までに全面施行される新ルールでは、「技能者を大切にする自主宣言」を行う企業を評価する仕組みも検討されており、SDGsへの姿勢がそのまま行政からの信頼度の直結する時代が到来します。
自治体入札と金融機関のSDGs格付け
許可ら経審といった国基準の評価だけでなく、各自治体の入札参加資格審査においても変化が顕著です。
多くの自治体でSDGs登録制度やワーク・ライフ・バランス推進企業としての認定を受けている企業に対し、客観点数の加算を行っています。
また、金融面での優遇も無視できないポイントです。現在、多くの地方銀行がSDGs評価融資を実施しています。
SDGsに取り組んでいることを証明、あるいは事業計画で盛り込むことで、金利の優遇や保証料の割引などが受けられるケースが増えています。建設業は資材高騰や人件費上昇でキャッシュフローが厳しくなりがちな業種でもあります。だからこそ、この金融優遇をうまく活用できれば大きな追い風となります。
行政書士からのアドバイス!?今、何をするべきか!?
なにもSDGsという指標を掲げる必要はありません。まずは自社の取り組みを言語化、見える化することが肝要です。
CCUSの登録
技能者のキャリアを可視化することは、SDGsの質の高い教育と働きがいへの直接的な貢献です。
産廃分別の徹底
「つくる責任 つかう責任」への取り組みとして、適正な処理を証明できる体制を整える。
就業規則の整備
2024年問題に対応した労務管理は、立派なSDGsへのアクションといえます。
これを事務作業のみで終わられるのは勿体無いです。許可申請時の裏付けや経審の加点材料として戦略的に活用するのが、今後の事業継続に重要といえます。
まとめ
建設業許可を持っているという信頼に、更なる付加価値を付ける意味でもSDGsの取り組みを通じて、発注者や元請、そして入職希望者からの評価も高まります。制度が完全に義務化されるかどうかは分かりませんが、いざ義務化されてから準備するとなると慌ててしまうことでしょう。先手を打っておくことを強くおすすめします。
当事務所では、建設業許可の更新や経審の対策だけでなく、皆様の取り組みをいかにして評価点に結び付けるかといった、踏み込んだサポートをさせていただきます。
まずは、お気軽にご相談下さい。
「グラス湘南行政書士事務所」