今回は、建設業を営む皆様に、宅地建物取引業免許を取得するメリットについて、解説します。
「建設業と宅建業って関係があるの?」と思われる方もいらっしゃるかと思われます。実はこの二つの事業は、非常に親和性が高く、宅建業免許を取得することで、事業の多角化と収益の拡大が期待できるといえます。
なぜ建設業者が宅建業免許を取得すべきなの?
建設業者が宅建業免許を取得するメリットとして、主に5つが挙げられます。
メリット1:不動産仲介業としての事業展開による収益拡大
建設業者が家を建てる際、土地探しから始めることがあります。これまでお客様が自分で探したり、他の不動産業者に仲介を依頼していたことが、自社で仲介業務を受託することができ、仲介手数料を収益として得ることが可能となります。これは、建設工事の請負とは別の収益源となります。
メリット2:一貫サービスによる顧客満足の向上
土地探しから住宅建築、そしてアフターフォローまで、一貫して任せられるというのは、お客様にとって安心感に繋がるといえます。
メリット3:潜在的な顧客開拓と営業機会の拡大
「住宅を建てたいけど、まずは土地を探さないと・・」という潜在的なお客様に対し、不動産情報を提供することで潜在顧客と接点を持つことができます。土地を探しているお客様に、自社の強みを活かした建築プランを提案することで、新規の新築工事請負につながる可能性が高まります。
メリット4:自社物件の販売と開発事業への進出
将来的には、自社で土地を仕入れ、そこに住宅を建てて販売する、いわゆる建売事業に進出することも視野に入ってきます。また、より大規模な宅地開発事業を見据えた、事業展開も選択肢として広がります。
メリット5:建設工事の受注機会の増加
宅建業免許を取得することで、お客様から「この土地に家を建てたいのだけど、どこか建設会社知らない?」と相談される機会も生じる可能性があります。そこで、自社の建築事業をアピールでき、新規受注に直結します。また、他の不動産業者とのネットワークを築くことで、リフォームやリノベーション工事の受注機会も広がります。
宅建業免許取得の要件とは?
宅建業免許を取得するためには、いくつかの要件をクリアする必要があります。建設業許可とは異なる点も多いので、注意が必要です。
要件1:事務所の要件
宅建業の事務所は、独立した空間である必要があります。建設業の事務所と同じ場所でも構いませんが、それらの事務所とは明確に区分されていることが求められます。例えば、パーテーションや間仕切りで仕切られていることが望ましいです。また、一般のお客様が自由に出入りできるような、構造になっている必要があります。
要件2:専任の宅地建物取引士の設置
宅建業免許を取得するためには、「専任の宅地建物取引士」を事務所に配置する必要があります。これは単に宅建士の資格を持っているだけではなく、常勤かつ専従でその事務所に勤務していることが求められます。1つの事務所につき、業務に従事する者の5人に1人以上の割合で、配置しなければなりません。原則、建設業許可の専任技術者と宅建士は兼任することができません。ただし、同一の事務所内であれば兼任できる場合もありますが、管轄の許可行政庁によって異なりますので、必ず確認が必要です。
要件3:営業保証金の供託または保証協会への加入義務
宅建業者は、万一のトラブルに備えて、営業保証金を供託するか、宅地建物取引業保証協会に加入する必要があります。
営業保証金の供託
主たる事務所に、1,000万円、従たる事務所は1事務所につき500万円を法務局に供託します。
保証協会への加入
主たる事務所に60万円、従たる事務所に1事務所につき30万円を分担金として支払います。供託か加入のいずれかの方法ですので、保証協会に加入すれば、営業保証金を供託するよりも費用を抑えることができます。
欠格事由に該当しないこと
宅建業免許を取得する法人や個人事業主、役員などが、以下の欠格要件に該当しないことが必要です。
・破産手続き開始の決定を受けて復権を得ていない者
・禁固以上の刑に処せられ、その執行を終えてから5年を経過していない者
・不正な手段で許可を受けたとして、許可を取り消され、その日から5年を経過していない者
まとめ
建設業者が宅建業免許を取得することは、事業の多角化に伴い、お客様へ一貫したサービスを提供することができます。その結果、安定的な収益源が増えるため、有効な手段といえます。
当事務所では建設業許可申請はもちろん、宅建業免許申請も承ります。建設業の強みを活かし、さらに事業を大きく飛躍させたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。