宅地建物取引業(宅建業)を始めるためには、知事や国土交通大臣の免許が必要です。その申請書類の中に必ず含まれているのが誓約書です。
名前を書いて判を押すだけと軽く考えてはいけません。現在は押印廃止が進んでいますが、この一枚には、宅建業法に基づく重い意味が込められています。
今回は、神奈川県の手引きを基に、この誓約書の役割と具体的な書き方を解説します。
そもそも誓約書は何を誓約するもの?
誓約書の中心となる内容は、申請者(個人・法人)や役員などが、宅建業法第5条第1項各号に掲げる欠格要件に該当しないことを誓うものです。
宅建業は高額な不動産を扱うため、信頼性が極めて重要視されます。そのため、過去に問題を起こした人物や、暴力団関係者などが業界に入り込まないよう、厳格な欠格事由が定められています。
主な欠格事由の例

手引きにも記載がある通り、特に注意するべきは以下の点です。
・5年以内に禁錮以上の刑に処せられた、または暴行等により罰則刑に処せられた場合。
・執行猶予中である場合。
・免許取消処分を受けてから5年を経過していない場合。
もし、これらに該当する人が一人でも役員や政令で使用人にいると、免許が下りません。
誓約の対象となるのは誰なのか?
誓約書は代表者が署名しますが、その誓約の範囲には以下の人物が全員含まれます。
・申請者本人(法人の場合はその法人自体、個人の場合はその個人)
・法人の役員全員(非常勤役員や相談役、顧問等も含む)
・政令第2条の2の規定する使用人(いわゆる支店長や営業所長)
・法定代理人(申請者が未成年の場合)
・法定代理人の役員(法定代理人が法人の場合)
組織の重要人物全員が欠格要件に該当しないことを、代表者が責任を持って誓約する形になります。
誓約書の具体的な書き方
神奈川県の手引きにある記入例をもとに、具体的な書き方をチェックしましょう。
①日付
申請書を提出する日、またはその直前の日付を記入します。あまりに古い日付だと再作成を求められることがあります。
②商号又は名称
法人の場合は、履歴事項全部証明書に記載されている通り正確に記入します。
③氏名(代表者名)
法人の代表権を持つ人の氏名を記入します。
現在は多くの自治体で押印が不要となっていますが、神奈川県でも個人の署名または記名印字で受理されるケースが一般的です。ただし、法人の実印を押印しておくのが最も確実です。
④法定代理人氏名
申請者が未成年の場合のみ、親権者などの法定代理人が署名します。成人している場合は、空欄で構いません。
⑤宛先
神奈川県知事免許の申請であれば、「神奈川県知事 殿」となります。
誓約書の注意点
変更届でも誓約書は必要!
免許の新規申請時だけではなく、役員や支店長が交代した際の変更届でも、この誓約書を改めて提出する必要があります。新しく就任する人が欠格要件に該当していないか、事前に必ず確認しましょう。
虚偽記載の恐ろしさ
もし欠格要件に該当する人がいるにもかかわらず、それを隠して該当しない誓約をして申請した場合、それは虚偽の申請となります。これが発覚すると、免許が下りないだけではなく、すでに免許を受けている業種においても取消処分の対象となります。
昔のことだから大丈夫だろう・・
執行猶予が終わったばかりだから言わなくてもいいだろう・・
という考えは非常に危険です!欠格要件については、照会が行われるため、隠し通すことはできません。不安がある場合は、事前に当事務所へご相談ください。
まとめ
宅建業免許申請の誓約書は、法律に抵触するような人物はいませんという宣言書といえます。記入自体はシンプルですが、その裏付けとなる役員全員の経歴確認などのコンプライアンスチェックこそが、申請において最も重要な作業といえます。
神奈川県での宅建業免許申請は、書類の量も多く、手引きを読み解くだけでも一苦労です。欠格要件に該当するか不安がある方や書類作成の時間を本業に充てたい方は、当事務所へお任せください。正確かつ速やかな申請をサポートいたします。
「グラス湘南行政書士事務所」