太陽光パネルの設置工事は、建設業許可の業種判断において、最も判断に迷う工事の一つといえます。
太陽光パネルの設置工事と聞くと、電気工事や屋根工事、どちらも該当しそうな気がしますが、工事内容によって判断が分かれます。誤った判断をしてしまうと無許可営業と見なされるリスクがあるため注意が必要です。
建設業許可の太陽光パネル工事とは?
建設業許可は29業種に分かれていますが、特定の工事を請け負うには、その工事内容に応じた業種の許可が必要です。太陽光パネルの設置工事も例外ではありません。重要なのは、その工事の、主たる部分がどの業種に該当するかに着目する必要があります。
屋根工事と判断されるケースは?
太陽光パネルを屋根に設置する工事は、多くの場合、屋根工事に該当します。これは、パネルの設置が屋根の構造と一体となって行われるためです。
具体的には以下の作業が含まれます。
架台の設置
屋根に穴をあけ、パネルを固定するための架台を取り付けます。この際、雨水の侵入を防ぐための防水処理も含む。
パネルの固定
架台に太陽光パネルをボルトなどで固定する作業。
これらの作業は、屋根の防水性や構造に直接影響を与えるため、屋根工事と判断されます。特に、屋根材を剝がしたり、屋根そのものに手を加えたりする工事は、屋根工事の範囲と見なされる可能性が高いです。
電気工事と判断されるケース
太陽光パネルの設置工事でも、電気工事として判断される場合があります。これは、パネルとパワーコンディショナー、分電盤などを結線する配線工事が主たる作業となる場合です。
具体的には以下の作業が含まれます。
配線作業
パネルで発電した直流電力をパワーコンディショナーに送り、さらに分電盤に接続する一連の配線作業。
機器の設置、接続
パワーコンディショナーや接続箱などの機器設置し、電気的に接続する作業。
これらの作業は、電気設備の安全性を確保する上で専門的な知識と技術を要するため、電気工事の許可が必要です。既に屋根が設置済みで、配線工事のみを請け負う場合は、明確に電気工事に分類されます。
判断を分ける主たる工事とは?
前述したとおり、一つの工事が屋根工事と電気工事の両方の要素を含んでいる場合、どちらの許可が必要になるかは、主たる工事がどれに該当するのかに着目します。
例えば、新築住宅に太陽光パネルを設置する場合は、基礎となる屋根工事とパネルの固定が中心的な作業であり、電気配線は付随的な作業と見なされ、屋根工事の許可であるケースが多いです。しかし、既存の住宅屋根に、既に設置されたパネルに新しく追加し、配線を引き直すような工事では、電気工事が主たる部分と判断される可能性があります。
この判断基準は非常に曖昧で、明確な線引きが難しいのが実情です。工事契約書の内容や、現場での作業実態を総合的に確認する必要があります。
迷ったときの最善策
最も安全で確実な方法は、屋根工事と電気工事の両方の建設業許可を取得することをおすすめします。
特に、太陽光パネル工事を専門的に手掛ける事業者は、様々な工事内容に対応するため、両方の許可を保有していることが一般的です。これにより、工事内容に応じて適切な許可で請け負うことができ、法令違反のリスクを回避できます。
まとめ
太陽光パネルの設置工事は、その内容によって屋根工事と電気工事に分かれます。
・屋根にパネルを固定し、屋根の構造に手を加える工事が主となる場合は屋根工事。
・配線や機器の接続が主となる場合は電気工事。
判断に迷う場合は、当事務所へご相談下さい。