産業廃棄物収集運搬業許可を取得している皆様にとって、既存の許可に水銀使用製品産業廃棄物や石綿含有産業廃棄物を追加することは、事業の幅を広げる機会ともいえます。
近年、環境意識の高まりや法令の改正により、これらの廃棄物の適正処理に対する社会的ニーズはますます高まっています。
一方でこれらの品目は適正処理が特に求められるため、追加するには厳格な要件が定められています。
今回は、これらの品目を追加するための手順や注意点を行政書士の視点で解説します。
追加の必要性
廃棄物処理法では、許可証に記載された品目以外の廃棄物を収集運搬することはできません。許可証に記載されていないにもかかわらず、これらの廃棄物を収集運搬した場合、無許可営業とみなされ、行政処分の対象となります。
・水銀使用製品産業廃棄物:水銀を含む製品(蛍光灯、水銀体温計など)の廃棄物。
・石綿含有産業廃棄物:石綿(アスベスト)が含まれる建築廃材や工業製品など。
これらは特別管理産業廃棄物とは別のカテゴリーですが、取扱いには厳格な基準が設けられています。既存の収集運搬業の範囲内でこれらを扱うためには、必ず変更許可申請が必要となります。
変更届か変更許可申請か?
産業廃棄物収集運搬業許可において、品目を追加する行為は、原則として変更許可申請にあたります。
変更届とは異なり、変更許可申請は、手数料の納付や申請書類の審査、改めての許可証交付という過程を経る必要があります。
申請の流れ
➀事前確認
既存の許可内容を確認し、追加する品目が産業廃棄物の範囲内か、それとも特別管理産業廃棄物の許可が必要なものかを精査します。廃石綿等は特別管理になりますので、混同しないように注意しましょう。
➁書類作成
各自治体指定の申請様式に基づき、事業計画書や運搬車両の写真、保管場所の図面、講習会の修了証などを揃えます。
➂手数料の納付
変更許可申請には所定の手数料がかかります。
➃申請
各自治体の環境農政局 資源循環推進課へ申請を行います。
⑤審査・許可
書類審査を経て、新しい許可証が発行されます。
特に注意するべきポイント
➀講習会の要件
品目追加申請を行う際、役員または一定の資格者が、水銀使用製品産業廃棄物、石綿含有産業廃棄物の収集運搬に関する講習会を修了していることが求められる場合があります。
まだ修了していない場合は、速やかに日程を確認し、受講予約を行う必要があります。
➁運搬基準の遵守
これらの廃棄物は、飛散・流出を防止するための措置が義務付けられています。申請書には、密閉できる容器の使用など、飛散流出を防止する運搬計画を具体的に記載しなければなりません。
➂特管産廃との境界
廃石綿等(特別管理産業廃棄物)と石綿含有産業廃棄物(普通産廃)は、名称が似ていますが、許可区分が完全に異なります。現在の許可証の種類を今一度見直し、必要な許可が普通産廃なのか特別管理産廃なのかを判断する必要があります。
行政書士に依頼するメリット
産廃許可の手続きは専門的であり、申請書類の作成には労力と正確な知識が求められます。
行政書士に依頼することで以下のようなメリットがあります。
時間の節約
複雑な申請書類の作成や、役所との事前協議を代行することで、本来の業務に集中できます。
ミスの防止
要件を満たしていない申請を行えば受理されず、時間を無駄にしてしまいます。専門家がチェックをすることで、許可要件の有無や速やかな申請をサポートします。
適切なアドバイス
今後の事業展開を見据えた際に、どのような品目を追加しておくのが効率的か、将来的な法改正にどう対応するべきかといった提案を行います。
まとめ
水銀使用製品産業廃棄物や石綿含有産業廃棄物の追加は、事業拡大への機会といえます。手続きは複雑ですが、正しい手順を踏むことによって許可取得に繋がります。
申請書類の作成や許可証の範囲でお困りの方は、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」