2026年に入り、廃棄物処理法だけではなく、関連する化学物質排出把握管理促進法(PRTR制度)の改正や、運送業界全体を取り巻く法規制の変化など、産廃業者に求められるハードルは年々高まっています。
今回は、2026年現在の最新状況を踏まえた産業廃棄物収集運搬業許可の5つの基本要件を、神奈川県の行政書士が解説します。
講習会の受講
公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWNET)が実施する講習会の修了です。
誰が受けるの?
法人の場合は代表者又は事業所の代表者(支店長など)、個人の場合は本人です。
有効期限に注意
新規講習は5年、更新講習は2年といった有効期間がありますが、自治体により異なる場合がありますので、管轄の行政庁に確認することが肝要です。
最近ではオンライン講習が主流となりましたが、試験は対面で行われることが多いため、スケジュールには余裕を持つ必要があります。特に神奈川県内での申請を考えている場合、講習修了証が届くまでのタイムラグを見越した計画が不可欠です。
経理的基礎とは?
2026年現在、排出事業者が最も過敏になっているのが委託先の経営安定性です。許可要件には経理的基礎を有することという項目があり、具体的には直近3期分の決算書で判断されます。
チェックされる点
自己資本比率、経常利益、納税状況など。
債務超過の場合
直ちに不許可になるわけではありませんが、中小企業診断士等による改善計画書(経営診断書)の提出が求められます。
経営が不安定な業者への委託は、排出事業者にとっても不法投棄のリスクと隣り合わです。許可取得はゴールではなく、信頼される経営のスタートラインといえます。
適切な運搬車両と施設の確保
廃棄物を運ぶための車両と、それを保管する駐車場の確保です。
車両の要件
例えば、土砂禁止ダンプでがれきを運ぶことはできません。運ぶ品目に適した形状(平ボディ、パッカー車等)であること。
2026年の注目点
2026年4月施行の貨物自動車運送事業法改正により、白ナンバートラックによる有償運送への規制が実質的に強化されています。産廃業者としての運搬であれば白ナンバーで可能ですが、排出事業者側がコンプライアンスを重視し、緑ナンバー(営業用ナンバー)を保有する業者を優先する動きも加速しています。
神奈川県での申請では、駐車場の使用権原(賃貸借契約書等)の確認も厳格に行われます。
欠格事由への不許可
これはクリーンな業者であることの証明です。
・禁固以上の刑を受けてから5年を経過していない
・廃棄物処理法違反で罰金刑を受けてから5年を経過していない
・暴力団等との関わりがない
注意したいのは、5%以上の決議権を持つ株主や監査役も審査対象になる点です。知らずに欠格事由に該当する人物を役員に迎えていた場合、不許可となりますので注意が必要です。
PRTR物質と契約書の最新実務
2026年1月から、化学物質排出把握管理促進法(PRTR制度)の法改正に伴い、特定の化学物質を含む産業廃棄物を委託する際の基準が強化されました。
収集運搬業者は、排出事業者から提供される含有物質の情報を正確に把握し、契約書やマニフェストに反映させなければなりません。
電子マニフェストの活用
現在は電子マニフェストの利用がほぼ標準化されています。2027年に向けてさらに詳細な報告義務(最終処分の行方の追跡)が段階的に導入されるため、今のうちに電子に対応できる環境を整ておくことが肝要です。
神奈川県内での申請における留意点
神奈川県(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市を含む)での申請は、窓口が混み合うことでも知られています。
また、県独自の産業廃棄物処理指導要領に基づいた運用がなされており、車両の表示義務や書面の備え付けについても細かなルールがあります。特に複数の政令市をまたぐ運搬を行う場合、許可の範囲をどこまで広げるべきか、例えば神奈川県知事許可だけでいいのか、他県の許可も必要なのかなどを判断する必要があります。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業の許可は、一度取得すれば終わりではありません。5年ごとの更新はもちろん、役員の変更や車両の増減があれば10日以内(法人の場合)に変更届を提出する義務があります。
2026年以降、法令遵守のハードルが上がる中で、本業に集中するためにも、複雑な手続きは当事務所をぜひ活用してください。
当事務所では神奈川県を中心に、産廃業・建設業許可の申請をサポートしています。最新の法改正に基づいた申請代行を行います。
「グラス湘南行政書士事務所」