建設業許可を維持し続けるための要件として、個人の問題があります。
社長に万が一のことがあったら、明日から工事ができなくなるのか・・?
許可を引き継ぐには、具体的にいつまでに何をすればいいの・・?
・・このような状況になることはどの会社でも起こり得ます。そうなってしまった場合、事前の準備と起きた後の速やかな対応で、すべてが決まります。
今回は、経営者の急病や死亡という不測の事態に際し、建設業許可を維持するための対策を解説します。
社長の不在が許可取消しに直結?
建設業許可を維持するためには、以下の2つの人的要件を欠かさないことが絶対条件です。
➀常勤の役員等(経管)としての経験を有する者
➁営業所技術者(専技)
小規模な建設会社や個人事業主の場合、社長一人が常勤の役員等(経管)と営業所技術者(専技)を兼ねているケースが少なくありません。この状態で社長が亡くなるということは、許可の根幹である要件が消滅することを意味します。
要件を欠いたまま営業を続けることは無許可営業となり、最悪の場合、5年間許可を取得することができない重いペナルティが課せられます。
建設業法改正で変わった事業承継・相続のルール
以前は、個人事業主が亡くなると許可は一代限りで失効してしまい、改めて後継ぎは新規申請をする必要がありました。しかし、令和2年10月の法改正により、事前の認可(または死亡後30日以内の申請)によって、許可を引き継ぐことが可能になりました。
➀個人事業主の場合(相続)
事業主が死亡した場合、その相続人が許可を引き継ぐには、死亡後30日以内に許可行政庁へ申請を行う必要があります。この期間を1日でも過ぎると、許可は失効し、新規取り直しとなります。
➁法人の場合(譲渡・合併・分割)
社長(代表取締役)が亡くなった場合でも、会社自体は存続します。しかし、亡くなった社長のみが常勤の役員等(経管)や営業所技術者(専技)だった場合、2週間以内に変更届を出さなければなりません。後任者がいない場合、許可は維持できません。
緊急にチェックするべき3項目
経営者が危機的状況になった場合、以下の3点を直ちに確認してください。
➀後任者の経験年数は足りているか?
常勤の役員等(経管)の要件は緩和されましたが、依然として営業所技術者(専技)は求められます。
・取締役としての経験が5年以上ある人間が他にいるか?
・社長を補佐する立場(準ずる地位)で管理業務を行っていた者はいないか?
➁資格証の原本と常勤性の証明資料はどこにあるか?
営業所技術者(専技)を交代させる場合、後任者の資格証や実務経験証明書に加え、常勤を証明する資料が必要になります。
➂30日のカウントダウンを意識する
特に相続の場合、葬儀や事後処理で30日はあっという間に過ぎるものです。悲しみの中でも、行政書士へ連絡を入れるタイミングは逃さないようにしてください。
許可を失効させないための対策
推奨する対策は以下の3つです。
➀要件の分散とバックアップ
一人に常勤の役員等(経管)と営業所技術者(専技)を集中させないのが理想です。
可能であれば、他の役員を経管の要件を満たすように登記し、若手においても、資格を取得させて営業所技術者として準備しておくことが肝要です。
➁事業承継認可制度の検討(法人・個人)
代替わりを検討しているなら、社長が健在なうちに譲渡及び譲受の認可申請を行うことをお勧めします。これを行えば、許可番号をそのままに、空白期間ゼロで世代交代が可能です。
➂書類の見える化
いざという時に、家族や社員がどの行政書士に頼んでいるか、許可証はどこにあるか、経験証明に使う確定申告書や注文書はどこかを把握していないケースが多々あります。これらをファイリングし、場所を共有しておくことも重要な対策です。
まとめ
建設業許可は、一度失うと改めて新規取得までに数ヶ月を要し、その間の受注機会を失うことにもなります。それは、従業員の生活や協力会社への影響も大きくなります。少しでも不安を感じた時は、当事務所へご相談ください。
廃業を検討する前に、今の許可を守る方法を一緒に検討させていただきます。
「グラス湘南行政書士事務所」