決算変更届は、建設業許可業者が毎事業年度終了後、4ヶ月以内に提出が義務付けられている書類です。
この書類は、各都道府県の窓口で誰でも閲覧が可能です。
例えば、協力会社の経営基盤の確認や競合他社の経営状況や技術者の配置状況など市場調査にも有用なツールとなります。
今回は、決算変更届の閲覧を通じて他社の書類から有益な情報を引き出すための読み取る際のコツを解説します。

工事経歴書から読み解く営業戦略

工事経歴書は、その会社がどのような工事を、いくらで、誰から受注しているのかを示す資料です。

元請・下請の比率

元請工事が多いのか、ゼネコンの下請がメインなのかをある程度確認することができます。元請比率の高い会社は経営基盤が安定しているといえます。

得意先の推移

前年度と比較して、主要な発注者が変わっていないか注目することで、受注競争の状況を推測する材料となります。

工種の内訳

許可業種が増えている場合、新規事業への進出や、元請からの要請による許可追加の意図が読み取れる場合があります。

財務諸表から読み解く経営の健全性

決算変更届に含まれる財務諸表は、数字の意味する会社の状況を想像することが重要です。

完成工事原価の構成

労務費、材料費、外注費のバランスを見ます。外注比率が極端に高い場合、自社での施工よりも、協力会社への依存度が高いことが分かります。逆に、自社施工のコストが重い場合は、固定費負担をどう管理しているかに着目します。

流動資産と修道負債のバランス

流動比率が極端に低い場合は、資金繰りが厳しく、自転車操業の状態にある可能性があります。

技術者名簿から読み解く組織の強み

技術者名簿には、その会社が保持している資格や実務経験者が記載されています。

資格保有者について

1級土木施工管理技士などの有資格者が特定の年代に偏っていないかを確認します。
この場合、若手が不足しているか、ベテラン頼みの組織であり数年後の技術者不足が懸念されます。

営業所技術者(専技)の重複

複数の許可業種で同じ技術者が営業所技術者(専技)として登録されている場合、多能工として活用しているのか、人手不足で兼務させているのか、組織の機動力を見極める材料になります。

閲覧時の注意点

書類の記載内容そのものだけではなく、記載の仕方にも目を向けてみることをお勧めします。

記載の丁寧さ

数字の桁合わせや、工事名の記載が簡潔かつ明確かどうかも重要です。細部まで丁寧に記載されている書類からは、その会社の誠実さの高さが伺えます。

変更届の提出時期

毎期期限ギリギリに提出しているのか、決算確定後速やかに提出しているのかで、その会社の管理状況を測ることができます。

まとめ

他社の決算変更届を閲覧することで、自社の営業戦略や経営管理における課題が相対的に見ることができます。どのような強みがあり、どのようなリスクがあるのか、客観的に評価することによって自社の経営に活かすことができるのも閲覧のメリットといえます。
当事務所では申請書を作成するだけではなく、最新の法令や通達、個別の事情を勘案して申請から提出まで、サポートいたします。お気軽のご相談ください。
グラス湘南行政書士事務所