自社で排出した産業廃棄物を自社で運搬する場合は、収集運搬業の許可は不要です。しかし産業廃棄物には廃棄物処理法という法律に基づいてルールが定められており、注意するべき点があります。
今回は、産廃業許可を取り扱う行政書士が、自社運搬が認められる具体的な条件と、見落としがちな注意点について解説します。

白ナンバーだと違法なの?

近年、物流業界で白トラ問題が厳しく取り締まられています。
白トラとは、運送業の許可なく貨物を運搬し運賃を得る行為のことを指します。
この白トラ問題が、産業廃棄物の運搬においても、不安を感じる方が多いようです。
産業廃棄物の収集運搬が白ナンバーで行える根拠は、その行為が運送業ではなく、廃棄物処理法に基づく処理工程の一部と見なされることが理由としてあります。
自ら排出した廃棄物を自ら処理施設へ運搬することは、排出事業者の責任において行われる行為であり、独立した運送サービスとは性質が異なります。

自社運搬として認められるためには?

産廃業許可が不要である自社運搬とは、どのようなものでしょうか。
それはあくまで、排出事業者自身が責任を持って行う運搬を指します。

以下4つの条件を満たしている必要があります。

➀自社が排出した廃棄物であること

他社から回収した廃棄物や、他人が排出した廃棄物を運搬する場合は、たとえ、無料であっても収集運搬業の許可が必要です。

➁自社の車両であること

車検証上の使用者が自社であることが必要ですので、リース車両の場合は、契約形態に注意が必要です。

➂自社の従業員が運転すること

運搬を行うのは自社の社員である必要があります。外部の運送会社に依頼する場合は、委託となるため、許可業者との契約が必要です。

➃目的地が正規の処分業者であること

自社の処分場、もしくは契約を締結した産業廃棄物処分業者へ運搬する場合に限ります。

守るべき3つのルール

➀車両への表示義務

運搬車両の両側面には、以下の情報を鮮明に表示しなければなりません。

・「産業廃棄物収集運搬車」という文字
・自社の名称

➁書類の携帯義務

車両には、いつ、誰が、どこからどこまで、何を運搬するのかを証明する書面を常に携帯しなければなりません。

・排出事業者の氏名または名称および住所
・運搬する産業廃棄物の種類および数量
・積載した日
・排出場所の名称、所在地および連絡先
・運搬先(処分場)の名称、所在地および連絡先

➂飛散・流出の防止措置

運搬中にゴミが路上に落下したり、悪臭や騒音で近隣住民に迷惑をかけたりしないよう、シート掛けや蓋付きコンテナを使用するなど、適切な措置を講じる義務があります。

自社運搬において、許可証を掲示する必要はありませんが、このようなルールを遵守しなければなりません。

ここが落とし穴?

現場では、悪意のない違反、所謂うっかり違反も生じる場合があります。
例えば、下請業者が現場のゴミを勝手に持ち帰ることは自社運搬に該当しません。
建設現場から排出される産業廃棄物は、原則として元請負人(元請業者)の廃棄物です。下請業者が自社のトラックで運搬するには、その元請負人から委託を受け、かつ収集運搬業の許可を持っている必要があるため、このケースはNGとなります。

まとめ

自社運搬の運用ルールを正しく理解し、現場の運用ルールを見直すことが肝要といえます。正式に収取運搬業の許可を取得したいといったご相談があれば、いつでも当事務所へご連絡ください。法令に基づいた適正な判断と申請を代行いたします。
グラス湘南行政書士事務所