不動産業界を取り巻く環境は、この数年で劇的な変化を遂げました。2024年から2025年にかけての相次ぐ法改正、そして2026年4月に施行された最新の規制など、今まで通りでは通用しない場面が増えています。
これから新規免許を取得したい方や更新時期が近い事業者様に向けて、2026年現在の最新状況を踏まえた宅建業法改正と免許の重要ポイントを解説します。

デジタル化とプライバシー保護

近年の法改正で最も注目するべき点は、情報の透明化とプライバシー配慮の両立です。

業者票(標識)と名簿の記載事項が変更

2025年4月の施行により、事務所に掲示する業者票や従業員名簿の様式が大きく変わりました。

専任の宅建士の氏名が削除

以前は掲示義務がありましたが、プライバシー保護の観点から氏名が削除され、代わりに専任の宅建士の人数を記載する形式になりました。

代表者の氏名が追加

責任の所在を明確にするため、事務所の代表者(政令で定める使用人など)の氏名記載が必須となりました。

従業者名簿の簡素化

従業員の生年月日や性別の記載が不要になりました。

デジタルサイネージによる掲示の解禁

一定の要件(営業時間中に常時表示されていること、人感センサー等で即座に表示できるこよ等)を満たせば、液晶ディスプレイなどのデジタルサイネージで業者票を掲示することが可能になりました。オフィスデザインにこだわる企業にとっては嬉しい変更といえるのではないでしょうか。

報酬改定!空き家流通の促進

実務に直結する変更点として、低廉な空家等の媒介報酬の特例が拡充されています。

対象の拡大

物件価格が400万円以下から800万円以下に引き上げられました。

報酬の上限

通常の計算式(3%+6万円など)に関わらず、現地調査等の費用を含めて最大33万円(税込)まで受領可能となりました。
これにより、これまで手間に見合わなかった低価格帯の物件取引が活性化することを期待されています。ただし、あらかじめ媒介契約時に説明し、合意を得ておく必要がある点には注意が必要です。

2026年4月施行!不動産登記と区分所有法の重要改正

2026年は、宅建業法そのものだけではなく、関連法案の改正が実務に大きな影響を与えています。

相続登記・住所変更登記の義務化

2024年の相続登記義務化に続き、2026年4月からは住所・氏名の変更登記も義務化されました。不動産を所有している顧客が引っ越しや改姓をした場合、2年以内に変更登記を行わないと過料の対象となります。売買の媒介時に、登記情報が最新かどうかを確認する重要性が一層高まっています。

区分所有法の大幅改正

老朽化マンション対策として、建替え決議や共用部分の変更決議の要件が緩和されました。

所在不明者の除外

連絡がつかない区分所有者を決議の分母から除外できるようになり、管理不全状態の解消が期待されています。

ITを活用した管理

オンラインでの集会決議や、海外居住者のための国内代理人制度などが整備されました。

電子申請の普及と審査の厳格化

現在、国土交通大臣免許および多くの都道府県知事免許で電子申請が標準となりました。
電子申請となったことで、手続きが簡便になったと思われがちですが、実態は逆です。システム上、書類の不備があると即座にエラーが出るほか、形式的な整合性(履歴事項全部証明書と申請書の文言の一致など)がこれまで以上に厳格にチェックされるようになっています。
特に以下の点での補正依頼が増えています。

➀事務所の写真

生活空間と完全に分離されているかが厳しく見られます。

➁専任の宅建士の常勤性

他の法人の役員を兼ねている場合などの疎明資料が複雑化しています。

➂欠格事由の確認

2026年から拘禁刑への罰則一本化に伴い、欠格事由の文言解釈にも注意が必要です。

まとめ

宅建業免許は、取得してからも、5年ごとの更新はもちろん、変更事項(役員の交代、事務所の移転、専任の宅建士の入れ替え)が発生した際の30日以内の届出は必須となります。
これらの届出を怠ったまま更新時期を迎えると、最悪の場合、免許が失効し、数週間にわたって営業停止(無免許状態)に追い込まれるリスクがあります。
当事務所では、最新の法改正に合わせた業者票の作成から、電子申請によるスムーズな免許更新、そして複雑な区分所有法改正に伴う、重要事項説明書のアップデートまで、専門家の視点でトータルサポートいたします。お気軽にご相談ください。
グラス湘南行政書士事務所