建設業者の皆様にとって、許可の維持、更新は事業継続の生命線とも言える重要な手続きです。しかし、申請のルールをまとめた神奈川県の「建設業許可申請の手引き」は定期的に改訂されています。
手続きのデジタル化や簡素化が進む一方で、確認が厳格化された部分もあります。今回は、神奈川県の手引き改訂における実務への影響がある3つの重要ポイントについて解説します。
更新申請時における定款の写しが必須添付に!
今回の改訂で、多くの事業者様に影響があるのが、更新申請時における定款の提出義務化です。
なぜ今、定款が必要なの?
これまでは、新規申請時や目的変更があった際に提出するのが一般的でしたが、今後は更新時にも必須となります。その主な目的は、現在の事業目的が建設業を営むものとして適正かを改めて確認するためです。
注意するべきポイント
最新の定款であること
設立当時のままではなく、商号変更や目的変更を行っている場合は、それらが反映された現行定款を準備する必要があります。
原本証明の署名
電子定款であっても、紙を出力した上で代表者印による原本証明が必要となります。
手元にある定款が古くて、今の事業実態と合っていないというケースは意外と多いものです。更新直前に慌てないよう、早めに内容を確認しておきましょう。
代表取締役等の常勤確認資料が一部省略可能に
こちらは事務負担の軽減につながる変更です。常勤の役員等(経管)や営業所の技術者(専技)に、法人の代表取締役や個人事業主本人が就任する場合、常勤性を確認するための資料が一部省略できるようになりました。
省略できるケース
通常、常勤性を証明するには健康保険証の写しや住民税の決定通知書などを提示する必要があります。しかし、法人の代表権を持つ役員が自ら経管や専技を務める場合、履歴事項全部証明書で役員としての在籍が確認できるため、追加の常勤資料を求めない運用へと変わりました。
メリットと留意点
事務作業の軽減
スキャンやコピーの手間が減り、添付書類がスリム化されます。
代表者等が対象
通常の取締役や従業員が技術者になる場合は、これまで通り社会保険加入証明等の常勤確認資料が必要ですので注意してください。
二以上事業所勤務の通知書は常勤資料として認められない?
二以上の事業所勤務に係る標準報酬決定通知書は、常勤確認資料として使用できなくなりました。
なぜ使用できないの?
建設業許可における常勤とは、原則としてその営業所に休日その他休日を除き一定の時間中拘束され、専念していることを指します。
二以上事業所の通知書が出ているということは、複数の会社で社会保険に加入し、報酬を得ている状態を意味します。これは裏を返せば他社でも仕事をしていると判断されるため、建設業許可が求める専任性(一事業所への専念)を証明する資料としては不適切、という理屈があります。
該当する場合の対策は?
複数の会社で役員を兼務している場合などは、専任性が認められるかどうか、個別の判断が必要になります。
・他社で常勤(経管・専技)として登録されていないか?
・移動時間は現実的か?
・職務内容に矛盾はないか?
これらを総合的に判断し、別の資料(非常勤証明書や組織図など)で補完する必要が出てきます。
まとめ
今回の神奈川県の手引き改訂は、簡素化と適正化の二極化が進んだ内容といえます。
➀定款の写し
更新時も必須。内容が古い場合は変更手続きを優先。
➁常勤確認の簡素化
代表者が経管・専技を兼ねる場合は書類が減る。
➂二以上事業所通知書
常勤資料としてNG。兼務がある場合は要注意。
建設業許可は、取得してからが重要で、このような細かなルールの変化に柔軟に対応していくことが、健全な経営へとつながります。
建設業許可申請に少しでも不安を感じた際は、ぜひ当事務所へご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」