産業廃棄物収集運搬業の許可申請において、もっとも神経を使うのが特別管理産業廃棄物の申請です。通常の産廃に比べ、環境や人体へのリスクが高い特管産廃は、自治体の審査も一段と厳しくなります。
特に審査のうえで肝となるのが事業計画書(第一面)です。今回は、特管産廃の許可申請を控える事業者様や、実務に携わる方に向けて、作成時に見落としがちな重要なポイントを解説します。
※神奈川県 産業廃棄物・特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可申請等の手引き 抜粋

特管産廃は種類の書き分けが肝!
通常の産廃であれば廃プラスチック類、金属くずといった区分で済みますが、特管産廃はそうはいきません。事業計画書において、以下の3つのカテゴリーを明確に意識して記載する必要があります。
①引火性廃棄物(揮発性廃棄物)
主に廃油が該当します。具体的には廃溶剤など、引火点が40度未満の揮発性廃棄物です。火災のリスクが極めて高いため、運搬車両や容器の選定基準が非常に厳しくチェックされます。
②腐食性廃棄物(強酸・強アルカリ)
・強酸:pH2.0以下の廃酸
・強アルカリ:pH12.5以上の廃アルカリ
これらは皮膚に触れれば化学火傷を引き起こし、容器を腐食される恐れがあります。第一面では、これらを扱うにふさわしい耐食性容器の準備状況と、取扱い品目の整合性を問われます。
③特定有害産業廃棄物
廃PCB、水銀汚染廃物、あるいはトリクロロエチレンや鉛などの有害物質が基準値を超えて含まれる汚泥、燃え殻などが該当します。これらは何が含まれているかによって処理フローが全く異なるため、詳細な分類が求められます。
リチウムイオン電池と引火性廃油の落とし穴
新規申請や変更許可申請で急増しているのが、リチウムイオン電池を含む廃棄物の運搬ニーズです。ここで多くの事業者が陥る落とし穴があります。
リチウムイオン電池を運ぶなら引火性廃油もセットで検討するべき理由
リチウムイオン電池の内部には、液体状の電解液が含まれています。この電解液は、引火性廃油の性質を持っているケースが多々あります。
破損時のリスク
運搬中に電池が破損・液漏れした場合、その駅は特管廃油(引火性廃油)として扱われるべきものです。
自治体の判断
自治体によっては、リチウムイオン電池を混合物や廃プラスチック類としてではなく、収集運搬するのであれば、万が一の漏洩に備えて、特別管理産業廃棄物の引火性廃油の許可も取得しておくようにと、指導が入るケースが増えています。
うちは電池を運ぶだけだから特管は関係ないよ・・
・・と思われるかもしれませんが、申請間際になって許可品目が足りないといったことになりかねませんので注意が必要です。将来的なビジネスチャンスを逃さないためにも、リチウムイオン電池を取り扱う可能性があるなら、セットでの取得を検討するべきといえます。
事業計画書(第一面)の整合性をチェック!
第一面を作成する際、以下のポイントがズレていると補正の対象となりますのでご注意ください。
①予定数量の妥当性
排出事業者からのヒアリングに基づいた現実的な数値を記載している必要があります。これが桁外れに多かったり、少なすぎたりすると事業能力を疑われる原因になります。
②運搬先の確保
どこに運ぶのかが決まっていない状態では、第一面は書くことができません。運搬先がその特管産廃の処分許可を持っているか、必ず事前に確認してください。
③車両と容器の適合性
強酸を運ぶのに、鉄製のオープンドラム缶を使うといった計画になっていませんか?
まとめ
特管産廃の事業計画書は、現場のオペレーションと法令、そして自治体の最新の運用を一致させる高度な作業といえます。
特にリチウムイオン電池に関連する申請は、近年の法改正や事故事例を受けて審査の目が厳しくなっています。揮発性廃油の取得の判断は、専門的な知見が不可欠です。
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「グラス湘南行政書士事務所」