サブリース(転貸借)とは、又貸しのことでサブリース業者(転貸人)が物件の所有者(賃貸人)から物件を一括して借り上げ、その物件をさらに入居者(転借人)に貸し出す契約形態を指します。
このサブリースには、宅地建物取引業(宅建業)の免許が必要なのでしょうか。
結論からいうと、サブリース業そのものには宅建業免許は不要です。
しかし、実務において気づかないうちに法律違反を犯してしまい、罰則を受けるリスクがありますので注意が必要です。
今回は、宅建業免許の要否と、サブリース事業者が注意するべきリスクについて解説します。
サブリースに宅建業免許は不要?
宅建業法では、宅地または建物の売買・交換、または賃貸の代理・媒介を業として行うことを宅建業と定義し、免許を義務付けています。
重要なのが、自ら賃借する行為は、宅建業法の規制対象外であるという点です。
サブリース契約の賃借人であり、転貸人として、所有者から借りた物件を第三者に転貸する場合、それは自らの責任において行う賃借に該当するため、宅建業免許は不要となります。
免許が必要になるケースとは?
前述のとおり、免許が不要なのは、あくまで自ら契約の当事者として貸借を行う場合に限られます。
以下のような行為が含まれる場合は、宅建業免許が必須となります。
仲介・媒介行為
所有者と入居者の間に入り、賃貸借契約を斡旋して仲介手数料を受領する行為。
代理行為
所有者の代理人として入居者と契約を締結する行為。
サブリースをしているつもりでも、実態として所有者から委託を受けて手数料を得ている場合や、報酬を得て契約を仲介している場合は、無免許営業とみなされ、宅建業法違反に問われるリスクがあります。無免許営業には3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
サブリース新法とは?
2020年に施行された賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(サブリース新法)があります。
この法律は、サブリース業者によるオーナーへの不当な勧誘や誇大広告、説明不足によるトラブルを防ぐためのものです。
たとえ宅建業免許が不要であっても、サブリース業を行う以上、以下の規制を遵守する義務が生じます。
不当な勧誘の禁止
契約の解除を妨げるような強引な勧誘は禁止されています。
誇大広告の禁止
家賃保証など、リスクを隠してメリットのみを強調する広告は禁止されています。
重要事項説明の義務
契約締結前に、家賃減額の可能性や契約解除のリスクについて、書面を交付して説明しなければなりません。
これらに違反した場合、行政による業務停止命令や、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金などの刑事罰に科される可能性があります。
無免許が招くリスク
以下3つのリスクが挙げられます。
➀契約の有効性
違法な仲介や代理を行っていた場合、締結した賃貸借契約そのものの信頼性が問われ、トラブルに発展しやすくなります。
➁行政処分による社会的信用の失墜
サブリース新法に違反して行政指導や処分を受けたという事実は、社会的信用の失墜に繋がります。
➂知らないことによる法的トラブル
管理の範囲を逸脱して媒介、代理の領域に踏み込んでしまうケースには注意が必要です。契約書の内容一つで、賠償リスクを抱えることにも繋がります。
まとめ
サブリースは不動産活用の手法として有用ですが、法的な枠組みは複雑です。
これからサブリース事業を開始される方は、宅建業法に抵触した事業内容になっていないか、サブリース新法に基づいた重要事項説明は適切かなど、法令チェックは不可欠といえます。
当事務所では、許認可取得の代行はもちろん、各種契約書の作成など承っています。お気軽のご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」