宅建業免許の更新や新規申請において、宅地建物取引業経歴書(第三号様式)があります。これは決算書や納税証明書との整合性が厳密にチェックされるため、書き方を間違えると差し戻しの対象になってしまいますので注意が必要です。

今回は、神奈川県の手引きを参考に、失敗しない経歴書の書き方を解説します。

事業の沿革欄:会社の歴史を正確に

まずは書類の上部、事業の沿革から埋めていきましょう。

「最初の免許」欄

・新規申請の場合:「新規」と記入します。
・更新申請の場合:初めて免許を受けた年月日を記入します。

「組織変更」欄

・新規申請の場合:記入不要です。
・更新申請の場合:免許期間中に「商号変更」「法人の合併」「資本金の増資」などがあった場合に、その年月日と内容を記入します。

事業の実績欄:5年間の実績を数値化する

直近5年分(5期分)の事業年度ごとに実績を記入します。

期間の考え方

・法人:定款に定められた事業年度(1期)ごとに記入します。
・個人:1月1日~12月31日までの暦年で記入します。

実績の記入ルール

神奈川県の手引きでは、以下のルールが厳格に定められています。

①千円単位で記入

単位は千円です。千円未満は切り捨てます。

②実績がない場合

実績がない年度や項目に、斜線を引きます。

③2段書きの注意点

件数や手数料の欄が2段になっている場合、上段に売買・交換、下段に賃貸(または交換)の実績を記入します。
ここで重要となるのが決算書との一致です。実績は必ず決算報告書(損益計算書)に基づいて作成してください。建設業などの兼業がある場合は、宅建業のみの実績を抽出して記入する必要があります。

代理又は媒介と売買・交換の違い

経歴書は、大きく分けて2つの実績を報告します。

イ.代理又は媒介の実績(1枚目)

いわゆる仲介の実績です。受領した仲介手数料をベースに記入します。

・宅地:土地のみ
・建物:建物のみ(マンションの1室など)
・宅地及び建物:土地付き建物(一戸建てなど)

ロ.売買・交換の実績(2枚目)

自社が売主(または買主)となった実績です。仲介手数料ではなく、売買代金(物件価格)そのものを記入します。

・売却:自社在庫を売った場合
・購入:販売用物件を仕入れた場合
・交換:物件を交換した場合

よくある落とし穴

実務の中で、特によく修正が入るポイントをまとめました。

納税証明書との整合性

実績の最後の1年間と、添付資料である納税証明書の年度が一致している必要があります。ここがズレていると、書類全体の信ぴょう性を疑われてしまいます。

賃貸管理の更新料・駐車場

賃貸住宅の更新手数料や駐車場の手数料は、実績欄には含めないのがルールです。

件数のカウント

1つの契約で売主・買主双方から手数料をもらう両手の場合、件数は1件と数えるのが一般的ですが、各自治体や手引きの解釈により異なる場合があるため注意が必要です。

まとめ

宅地建物取引業経歴書は、いわば貴社の5年間の通知表です。数字の整合性を整える作業は非常に根気がいりますが、ここを正確に仕上げることで、結果として免許交付までの時間を短縮できます。
例えば、兼業分をどう分ければいいのか分からないとお困りの方は、当事務所へお気軽にご相談ください。
グラス湘南行政書士事務所