建設業許可申請において、様式第四号「使用人数」は会社の人的体制を証明する重要な書類です。この様式の使用人として誰をカウントし、誰を記載するべきか迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、この使用人の様式に誰を、どのように記載するべきか解説します。
使用人の定義と様式第四号の重要性
建設業許可申請における使用人の考え方は、一般の会社法上の従業員とは少し異なります。
様式第四号で記載が求められる使用人は、以下の条件を満たす、営業所に常時勤務する者を指します。
・法人:常勤の役員(代表取締役、取締役など)および常勤の職員。
・個人事業:事業主本人および常勤の職員。
重要なのは、その者が雇用期間を特に限定することなく申請者(会社または個人事業主)に雇用され、常勤しているかどうかです。
カウントの対象となる常勤の基準
常勤とは原則として、その営業所に専属し、週30~40時間程度の勤務が継続的に行われている状態を指します。
| 記載対象となる人 | 記載対象とならない人 |
| 常勤の役員(取締役、執行役など) | 非常勤の役員(監査役、無報酬の役員など) |
| 個人事業主本人 | パートタイマー、アルバイト |
| 常勤の社員・職員 | 派遣社員(直接雇用ではないため) |
| 常勤の技術職員 | 建設業以外の事業(兼業)のみに従事する職員 |
| 常勤の事務職員(経理、総務、営業など) | 現場作業のみに従事する常用雇用の作業員 |
ポイントとしては雇用形態よりも、実際の常勤性と雇用期間の定めの有無が重視されます。ただし、パート・アルバイトなどの期限付き雇用の者は、原則として含めません。
様式第四号の提出目的と重要性
この使用人数の様式は、単に従業員数の報告に留まらず、許可行政庁が申請会社の人的体制や組織の健全性を判断するための重要な資料といえます。特に、専任技術者や経営業務の管理責任者(役員等)の常勤性を裏付ける情報として機能します。
また、経営事項審査を受ける場合にも、技術職員数を把握するための基礎資料となるため、正確な記載が求められます。
様式第四号「使用人数」の具体的な記載方法
様式第四号は、営業所ごとに技術関係使用人と事務関係使用人に分けて人数を記載します。
営業所の名称
建設業許可を受ける主たる営業所(本社)と、従たる営業所(支店・営業所)をすべて記載します。複数の営業所がある場合は、営業所一覧表(様式第一号別紙二)と同じ順番で記載します。
技術関係使用人(3つの区分)
建設業の工事施工に従事する技術的な使用人の人数を以下の区分で記載します。
| 区分 | 記載する人 |
| 建設業法第7条第2号イ、ロ若しくはハに該当する者 | 専任技術者の要件を満たす者(国家資格者、指定学科卒業+実務経験、10年以上の実務経験者など)。実際に専任技術者に選任されているか否かに関わらず、要件を満たす常勤の技術者が対象です。 |
| その他の技術関係使用人 | 上記の専任技術者の要件は満たさないが、現場での施工管理、指導、技術的な業務に従事する常勤の技術者。見習いなどもここに含まれます。 |
| 合計 | 上記2つの区分の合計人数 |
ポイントとしては専任技術者に選任されている人も、この様式の「第7号第2号等に該当する者」に含めてカウントします。主たる職務が技術関係か事務関係か、兼務している場合は主として従事している職務で判断します。
事務関係使用人
営業所ごとに所属する常勤の使用人のうち、事務関係の業務に主として従事する者の人数を記載します。例えば、経理、総務、一般事務、営業担当者などです。技術的な業務に兼務している場合でも、主として事務関係の職務を従事していれば、こちらに含めます。
営業所ごとの合計と全体合計
営業所ごとの合計(右端)
技術関係使用人合計と事務関係使用人合計を合わせた、その営業所に所属する常勤の使用人全員の人数。
使用人区分ごとの合計(最下段)
各営業所の区分ごとの人数を合わせた、会社全体の区分別合計人数。
実務上の注意点
役員を含めること
法人の場合、代表者や常勤の取締役等の役員も、建設業に従事していれば使用人に含めます。役員は技術関係または事務関係のいずれかに振り分けて記載します。
基準日を明確にすること
・新規・許可換え・業種追加等の申請時
許可申請書の提出日時点の人数を記載します。
・決算変更届(事業年度終了届)提出時
当該事業年度の終了の日(決算日)時点の人数を記載します。(変更があった場合のみ)
基準日を間違えると、他の添付書類との整合性が取れなくなり、補正を求められる原因となりますので注意が必要です。
令3条の使用人との混同を避ける
建設業許可には、令3条の使用人(建設業法施行令第3条に規定する使用人)という言葉もあります。これは、支店長や営業所長など、主たる営業所の代表者から契約締結などの権限を委任された者を指し、主たる営業所を設ける場合に提出する別様式に記載します。
様式第四号の使用人数は、令3条の使用人を含む常勤の全役員職員の人数を指しますので、混同しないように注意が必要です。
まとめ
建設業許可申請における様式第四号使用人数は、会社の実態と規模を示す重要な証拠書類といえます。記載するべき使用人の範囲は、常勤の役員・職員であり、非常勤の者や派遣社員は原則含めません。
この様式は、専任技術者の要件を裏付け、会社の組織力を示す上でも不可欠です。少しでも記載に不安のある場合は、当事務所へご連絡ください。使用人数のカウントが適正か、個別具体的に確認することも可能です。
「グラス湘南行政書士事務所」