不動産業の開業には、国土交通大臣または都道府県知事の宅地建物取引業免許(以下、宅建業免許)が必要です。
この免許申請、初めての方には書類が多くて煩雑なイメージがあるかもしれません。
今回は、特に種類作成でつまずきやすいポイントに焦点を当て、スムーズな申請を実現するための申請書の書き方や重要な注意点を解説します。

申請書作成の基本(大臣免許と知事免許)

免許の種類申請先営業所の設置エリア
知事免許営業所を置く都道府県の知事1つの都道府県内のみ
大臣免許国土交通大臣2つ以上の都道府県にまたがる場合

ほとんどの新規開業者の方は、まず知事免許を取得します。申請書は、知事免許の場合は各都道府県の担当窓口で、大臣免許の場合は国土交通省の窓口で入手するか、ネットからダウンロードできます。

申請書の書き方と具体的な注意点

宅建業免許の申請書は、大きく分けて、いくつかの様式で構成されています。ここでは特に間違えやすい主要な様式について解説します。

様式第一:免許申請

記載事項見本の書き方重要な注意点
免許の種類知事免許の場合は〇〇(各都道府県)知事と記載大臣免許の場合は国土交通大臣
商号又は名称株式会社〇〇不動産法人登記簿の記載と完全に一致させること(略称は不可)
主たる事務所の所在地〇〇県〇〇市〇〇町〇番登記簿の記載と一致(特に番地とハイフン表記には気を付ける。マンション名や部屋番号も正確に)
資本金の額3,000,000円数字のみを漢数字で書かないようにする

申請書の記載内容と、添付する登記事項証明書や誓約書などの内容が一つでも異なっていると、補正(修正)を求められ、審査が大幅に遅れてしまいます。特に会社名や住所は一字一句間違いのないようにチェックしましょう。

様式第二:役員等に関する誓約書

法人の場合、代表取締役を含むすべての取締役、監査役、相談役等、宅建業の業務を執行する役員を記載します。

記載事項見本の書き方重要な注意点
氏名例 山田太郎住民票の記載と完全に一致
役職代表取締役会社での正式な役職名を記載
住所〇〇市〇〇町1-2-3又は〇〇市〇〇町1番地2の3現住所を正確に(住民票で確認されます)

役員が過去に宅建業法違反で罰金刑を受けていたり、破産宣告を受けていたりする場合、欠格要件に該当し、免許が取得できない可能性があります。必ず事前にすべての役員に確認し、虚偽の記載は絶対に避けてください。

様式第三:専任の宅地建物取引士の設置証明書

宅建業を行う事務所には、専任の宅地建物取引士を、業務に従事する者5人に1人以上の割合で設置する義務があります。

記載事項見本の書き方重要な注意点
氏名例 山田花子設置する宅建士の氏名
登録番号神奈川県第〇〇〇〇〇〇号専任宅建士は、その事務所のある都道府県で登録されている必要はありませんが、番号は正確に
勤務形態常勤かつ専属であること他社の役員や従業員、他業との兼業は原則認められません(週5日、フルタイムでその事務所に勤務できることの証明が必要です)

専任性の証明として、健康保険証の写しや、他社に勤務していないことの誓約書、常勤証明書などが必要になります。特に申請者と宅建士が異なる場合、勤務実態の確認は厳しく行われます。

申請で失敗しないための重要チェックリスト

申請書以外にも、スムーズな審査のために以下の点を確認してください。

供託の準備

免許を取得しても、すぐに営業はできません。営業開始までに、宅地建物取引業保証協会への加入(弁済業務保証金分担金の納付)または営業保証金(知事免許の場合1,000万円)を法務局へ供託する必要があります。申請書には、どちらを選択するか記載する欄があります。

事務所の要件

事務所は、物理的に独立性が保たれている必要があります。
特に、自宅兼事務所の場合は、居住部分と明確に区別できる独立した出入り口や間仕切りが必要になります。
パーテーションなどで明確に区切られ、宅建業の標識を掲示できるスペースがあるかなど、写真や図面で証明します。

役員の変更

申請中に役員が変わった場合、改めて役員に関する調書を提出する必要があります。

添付書類の有効期限

登記事項証明書、身分証明書、納税証明書など、ほとんどの添付書類には発行後3ヶ月以内という有効期限があります。すべての書類を揃えるのに時間がかかると、先に取得した書類の有効期限が切れてしまうことがあります。

まとめ

宅建業免許の申請は、作成する書類が多岐にわたり、一つでも不備があると何度も窓口に足を運ぶことになりかねませんので注意が必要です。
当事務所ではお客様の状況をヒアリングし、書類の作成から行政庁との調整までを一貫してサポートし、スピーディかつ正確な免許取得を実現します。宅建業免許申請でお困りでしたらお気軽にご相談ください。
グラス湘南行政書士事務所