「宅建業免許取得は法人ではないと取得できないの?」
そのように思われる方もいらっしゃるでしょうか?
結論からいうと、個人の開業でも、宅建業免許は取得できます。
今回は、個人で宅建業免許を取得する場合と法人で取得する場合で、それぞれの違いと選び方について解説します。
そもそも、個人と法人の免許の取りやすさに違いはあるの?
「個人の方が手続きが簡単そう」
「法人の方が信用されて通りやすいの?」
といった様々な疑問があるかもしれません。
しかし、宅建業免許を取得するための基本的な要件(人、物、金)は、個人、法人で大きな違いはありません。
共通のクリアするべき要件(主に3つの壁)
①資産の壁(営業保証金または保証協会への加入)
宅建業を始めるにあたって、お客様を保護するためのお金(主たる事務所で1,000万円、支店で500万円)を供託するか、あるいは保証協会に加入する必要があります。
保証協会に入れば、供託金は大幅に安くなります(主たる事務所で60万円、支店で30万円)。
②人の壁(専任の宅地建物取引士)
事務所の規模に応じて、必ず専任で働く宅地建物取引士を置かなければなりません。
③事務所の壁(独立性の確保)
自宅の一室でも可能ですが、他の居住部分と壁やパーテーションで完全に区切られている必要があります。また、独立した出入り口があるなどの、事業を行う場所としての独立性が求められます。
このように、許可を取得するにための要件は多々ありますが、個人と法人で大きな違いはありません。
個人と法人、3つの大きな違いとは?
①信用度(お客様や金融機関への印象)
法人(株式会社など)
一般的に株式会社という名称は、取引相手や金融機関に対して社会的な信用度が高いという印象を与える傾向にあります。最低限、資本金という資本を持っていると見なされるためです。
特に、地元の地主や大手デベロッパーなどの大きな取引先との付き合いを考えた場合、法人の方がスムーズなことが多いのも事実でしょう。
個人事業主
信用度は、経営者ご自身に直結します。実績や人柄が重要になるといえます。しかし最近は、小規模でフットワークの軽い店舗を好む消費者も増えているため、「人」が売りとなる要素が強い傾向にあります。
②税金と会計(節税のしやすさ)
法人
法人税は、利益に応じて段階的に課税されますが、個人事業主の所得税と比較して、高額の利益が出た場合に税率が抑えられる可能性があります。また、経費として認められる範囲が広く、役員報酬や退職金など、個人の所得をコントロールしやすいため、節税対策の幅が広いのが特徴です。ただし、赤字でもかかる均等割りなどは納税しなくてはなりません。
個人事業主
利益が増えれば増えるほど、税率が上がっていく累進課税が適用されます。利益が少ないうちは税率が低いため、スタートアップには有利です。会計処理は法人に比べてシンプルですが、事業主への給与という概念がないため、節税できる項目は少なめです。
③責任の範囲
法人
会社が負った借入金や、事業で発生した損害賠償などの責任は、原則として会社という組織が負います。これを有限責任と呼びます。経営者個人の自宅など、個人の財産を失うリスクを最小限に抑えることができます。ただし、経営者が連帯保証人になっている場合は別です。
個人事業主
事業で負った借入金や、トラブルによる損害賠償などは、すべて経営者である個人が負うことになります。これを無限責任と呼びます。最悪の場合、個人の財産も責任の対象になります。
まとめ
個人の開業におすすめなのは
・初期投資を抑えたい方
・小規模からスタートしたい方
・会計や事務作業をシンプルにしたい方
・年間の利益がそこまで大きくない方
法人がおすすめなのは
・将来的に事業拡大を目指している方
・高額な取引をメインにしたい方
・利益が青天井で見込める方
・個人の財産を切り離したい方
宅建業免許は、書類作成や役所とのやり取りが発生し、人の要件や事務所の要件を少しでも間違えると、訂正を求められます。
開業準備で不安を感じている方は、ぜひ当事務所へご連絡ください。
「グラス湘南行政書士事務所」