道路工事、足場設置、レッカー作業、イベントの開催などで道路を使用する際、道路使用許可と道路占用許可の取得が必要です。
今回は、道路使用許可を取扱う行政書士の視点から、神奈川県内の警察署の管轄の調べ方、正確な申請窓口への持ち込み方、そしてスムーズに許可を得るための実務上のポイントを解説します。
神奈川県内の警察署の管轄確認方法!?市町村名だけで判断してはいけない?
横浜市の現場だから、当然あの警察署だろう・・
藤沢市の現場だから藤沢警察署だ・・
このような思い込みで書類を作成すると、管轄違いで受け付けてもらえず、申請が二度手間になることがあります。
警察署の管轄は市区町村単位で大別されていますが、大きな市だと管轄を地域で分けられていたり、町村などは近隣の市の管轄であったりするため注意が必要です。
神奈川県警察の公式ホームページで確認する
確実な方法は、神奈川県警察が公開している「警察署一覧(所在地・電話番号)」や、各自治体の警察署管轄区域ページを確認することです。
不明な場合は最寄りの警察署の交通課へ電話で確認する
判断がつかない場合は、現場から一番近いと思われる警察署の交通課に直接電話をかけ、正確な地番を伝えて確認するのが最も確実です。
【神奈川県内】主な警察署と管轄区域の傾向
神奈川県内には、横浜・川崎といった大都市から、湘南エリア、県央・県西・足柄エリアまで多くの警察署が設置されています。ここでは実務上よく扱われるエリアの傾向をいくつかご紹介します。
横浜市・川崎市などの政令指定都市
各区ごとに警察署が細かく分かれています。例えば、横浜市であれば横浜水上、神奈川、戸塚、港北、旭など、川崎市であれば川崎、中原、高津、麻生など分かれています。区の境界線上にまたがる足場やクレーン車を配置する場合などは、両方の警察署との事前調整が必要になるケースもあります。
湘南・県央エリア(藤沢・茅ヶ崎・寒川・大和など)
例えば、藤沢市では南北に分かれているため藤沢警察署と藤沢北警察署に分かれます。また綾瀬市は大和警察署の管轄であるなど、市町村名と警察署名が一致しない場合があります。現場が市境に近いときは細心の注意が必要です。
県西・足柄エリア(小田原・南足柄・箱根など)
広範囲を一つの警察署がカバーしている場合や、観光地特有の交通規制・渋滞対策が絡むため、所轄警察署との事前の綿密な打ち合わせが重要視されます。
申請窓口(警察署)への持ち込み方と手順
道路使用許可の申請書を作成したら、いよいよ管轄警察署への提出です。郵送での提出は原則として認められておらず、窓口への持参が必要です。
スムーズに受理され、かつスピーディーに許可をもらうための手順とポイントを解説します。
ステップ1:必要書類の準備
神奈川県警における通常の道路使用許可申請では、主に以下の書類を2部(正本・副本)用意します。
・道路使用許可申請書(神奈川県警の様式、または警察署でも入手可能)
・現場の位置図(住宅地図など、場所が特定できるもの)
・施工図面・仕様書(足場やバリケードの配置、車線閉鎖の様子を描いたもの)
・迂回路図(道路を全面通行止めにする場合や、大規模な交通誘導を行う場合)
・その他添付書類(安全対策要領、工程表など、警察署や工事の内容に応じて求められるもの)
ステップ2:事前相談
いきなり申請書を窓口に持ち込むのではなく、事前に図面等の資料を持って事前相談を行うのが原則です。
神奈川県内の警察署では、現場の交通量やバス路線かどうか、周辺の学校の通学路になっていないかなどを厳しくチェックされます。事前相談なしに提出すると、ここコーンの置き方が足りない、警備員の配置人数を増やしてほしいといった理由で修正を命じられ、窓口を何度も往復することになりかねませんので注意が必要です。
ステップ3:窓口への本申請と手数料の納付
手数料は神奈川県証紙または現金等で納付します。自治体や申請内容の細則によりますが通常2,500円程度を納付します。
正本と副本の2部を提出し、後日、許可証が下りた際に副本(受領印が押されたもの)を受け取ります。
ステップ4:標準処理期間(日数)を考慮したスケジュール設定
神奈川県内の警察署における標準処理期間は、申請受理後からおよそ3日〜1週間程度(土日祝を除く)とされています。 ただし、大規模な工事や夜間作業、交通量が多い幹線道路の場合は、公安委員会の意見聴取や関係機関(バス会社など)との調整が入るため、2週間〜3週間以上かかることも珍しくありません。 余裕を持ったスケジュールで動くことが肝要です。
まとめ
・神奈川県の警察署の管轄は市区町村単位を基本としつつも、境界付近や特殊なエリアでは確認が必須。
・市町村名と警察署名が一致しないケースに注意する。
・いきなり本申請するのではなく、必ず事前に図面を持って窓口で事前相談を行う。
・標準処理期間(数日~数週間)を見据えた余裕のあるスケジュールで動く。
道路使用許可は、地域の安全や円滑な交通を守るための大切な手続きです。書類の不備や管轄違いで工事のスケジュールを遅らせてしまわないためにも、少しでも不安がある場合は、当事務所までご相談ください。確実かつ速やかなサポートにより、本業である施工やイベントの準備に集中していただくことができます。
「グラス湘南行政書士事務所」