宅地建物取引業の免許を受けている事業者様で、代表取締役の変更が発生した場合、変更の日から30日以内に都道府県知事または国土交通大臣へ変更届出書を提出しなければなりません。
商業登記の変更は行っても、宅建業の変更届提出を忘れてしまうケースが多いです。例えば、専任の宅地建物取引士の設置状況や、役員等の欠格事由の審査など、実務上見落としやすいポイントが多数存在します。
今回は、神奈川県をはじめとする行政庁の実務運用を踏まえ、代表取締役変更における変更届出の具体的な注意点と、スムーズに手続きを進めるためのポイントを解説します。

宅建業の変更届における30日以内という期限

この30日以内の起算日は、厳密には法務局での登記完了日ではありません。
役員変更があった場合、会社法上の登記変更手続きを行います。そして宅建業法の変更の日から30日以内という期間制限は、原則として株主総会で代表取締役の選任(変更)が決議された日が起算日となります。
30日を過ぎてしまった場合、遅延理由書の提出が求められる場合もあり、悪質な場合は監督処分や罰則の対象となる恐れがあります。万が一遅れた場合は管轄の許可行政庁へ確認を必ず取りましょう。
変更が決まった段階から、逆算して書類の準備を進めることが不可欠です。

新たな代表取締役における欠格事由の審査

新しい代表取締役が就任する際、宅建業法第5条に定める欠格事由に該当しないことを証明し、審査を受けなければなりません。
代表取締役は、宅建業法における役員等の筆頭にあたります。以下の項目に一つでも該当する場合、免許の基準を満たさなくなるため、注意が必要です。

・破産手続開始の決定を受けて復権していない者
・禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
・宅建業法違反、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律などに違反し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
・暴力団員等、または暴力団員等でなくなった日から5年を経過しない者

専任の宅地建物取引士の常勤性・兼務制限の再確認

代表取締役の変更に伴い、専任の宅地建物取引士の兼務問題が生じる場合があります。
宅建業法では、事務所の規模に応じて一定数以上の専任の宅建士を置くことが義務付けられています。ここで以下の点を注意する必要があります。

新しく代表取締役に就任した人物が専任の宅建士を兼ねている場合

代表取締役は原則として常勤性が求められますが、その人物が本店や支店で専任の宅建士を兼ねているケースがあります。他の業務との兼務や、本店以外の場所での勤務実態がないかチェックされます。

代表取締役の変更により、既存の宅建士が退任・移動する場合

役員の入れ替わりに伴い、これまで専任の宅建士として登録していた人が退任したり、実務から離れたりする場合、事務所ごとの成年者である専任の宅建士の設置割合である5人に1人以上を割り込んでいないか確認が必要です。
特に代表取締役で専任の宅建士のケースは、行政庁の審査において実態の常勤性が厳しく見られます。健康保険証や雇用関係を証明する書類など、追加の疎明資料を求められるケースも少なくありません。

必要書類と添付ファイル

代表取締役変更の届出に際しては、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県へ提出します。一般的な必要書類は以下の通りです。

・変更届出書
・役員等の略歴書(新任の代表取締役分)
・誓約書(欠格事由に該当しない旨を誓約する書面・新代表者分)
・身分証明書および登記されていないことの証明書(新代表者分)
・住民票の抄本(新代表者分)
・変更後の履歴事項全部証明書
・定款の写し

また、近年では行政手続きのデジタル化が進んでおり、各自治体におけるオンラインシステムの活用が進んでいます。紙申請か電子申請かによって添付ファイルの形式や押印の有無が異なるため、事前に管轄窓口の最新の手引きを確認することが肝要です。

まとめ

宅建業の代表取締役変更に伴う変更届は、30日という短い期限の中で、登記変更から公的証明書の取得、各行政庁への書類作成・提出までをミスなくこなす必要があります。
宅建業免許申請や変更内容についてお悩みを抱えている方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
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「グラス湘南行政書士事務所」