建物の外壁塗装や改修工事、解体作業などを行う際、建物の周囲に足場を架設することがあります。
都市部や住宅密集地においては、敷地の関係上、やむを得ず公道の上に足場の一部がはみ出したり、クレーン車や作業車両を道路上に一時停止させたりして作業を行うケースが少なくありません。
しかし、無許可で公道上に足場を設置したり資材を置いたりすることは、道路交通法違反および道路法違反にあたる重大な違法行為です。工事を安全かつ円滑に進め、法規に基づいた道路使用許可および道路占用許可を取得しなければなりません。
今回は、神奈川県内で建設業関連の許認可や道路申請を取扱う行政書士の視点から、足場設置に伴う道路使用許可の重要性と、行政書士に申請代行を依頼するメリットについて解説します。

なぜ足場設置に道路使用許可・道路占用許可が必要なの?

工事現場でよく見かける足場ですが、公道の空地や上空に少しでもかかる場合、法律上どのような手続きが義務付けられているのでしょうか。

道路使用許可(警察署)

道路交通法に基づき、道路における危険を防止し、交通の安全と円滑を図るために取得する許可です。足場の設置によって歩道や車道の通行が制限される場合、必ず管轄の警察署長から許可を受けなければなりません。

道路占用許可(道路管理者)

道路法に基づき、道路に足場や仮囲いなどの一定の工作物を設けて、継続して道路を使用する場合に、国、都道府県、市区町村などの道路管理者から取得する許可です。足場が道路敷地を物理的に占有する場合に必要となります。

無許可工事がもたらす致命的なリスク

許可を取らずに道路上に足場を架けたり資材を搬入したりした場合、警察や道路管理者から即時是正命令や工事停止命令が下されます。
工事が途中でストップしてしまうだけでなく、悪質な場合は現場責任者や施工会社が刑事処分の対象となることもあります。また万が一、通行人が足場周辺で事故に巻き込まれた場合、無許可であれば企業の社会的信用は失墜し、多大な損害賠償責任を免れません。
足場の道路使用許可・占用許可の申請は、以下のハードルをクリアする必要があります。

➀有効幅員の確保と安全対策

歩道や車道に足場を設置する場合、一般車両や歩行者が安全に通行できるだけの有効幅員を確保できるかどうかが審査されます。幅員が十分に取れない場合は、誘導員の常駐や、場合によっては道路の片側交互通行の手続き、迂回路の検討が必要になります。

➁警察・道路管理者・関係機関との事前協議

申請前には、管轄の警察署や道路管理者と入念な事前協議を行わなければなりません。図面の不備や安全対策の不足を指摘されると、計画の練り直しを迫られ、工事のスケジュール全体に大きな遅れが生じます。

➂複雑な添付書類の作成

正確な位置図、平面図、断面図、構造図だけでなく、交通誘導員の配置計画、安全確保のための保安設備(夜間照明や注意喚起の看板など)の配置図面など、専門的で緻密な資料が求められます。

施工会社や建築主が抱える申請業務の負担

足場の設置許可は、工務店やリフォーム会社、建設業者などの施工会社の現場担当者自らが行うケースも多く見られます。しかし、現場の職人や施工管理者が本業の合間に役所や警察署に通うことには、大きな負担とリスクが伴います。

・平日の日中に何度も窓口へ足を運ぶ時間的負担
・慣れない図面作成や行政書式への記入ミスによる手戻り
・工期へのプレッシャー

現場の施工管理や品質管理に集中すべき貴重なリソースが、行政手続きの対応で削られてしまうのは、企業経営の観点からも大きなロスと言えます。

行政書士に足場設置の申請代行を依頼する4つのメリット

①施工・現場管理などの本業に100%集中できる

煩雑な行政との事前協議、複雑な図面・書類の作成、申請書提出から許可証の受領までのすべてのプロセスを丸ごと代行します。現場担当者は本来の施工管理や顧客対応に専念でき、業務効率が劇的に向上します。

➁スムーズかつ確実なスケジュール管理

各自治体や警察署特有のローカルルールや審査のツボを抑えているため、手戻りが少なく、工期から逆算した確実なスケジュールで許可を取得することが可能です。

➂トラブルや差し戻しのリスクを最小化

有効幅員の計算が甘かった、安全対策の記載が不足していた、といった理由で申請が差し戻されるリスクをプロの目で徹底的に排除します。法令に完全準拠したクリーンな申請を行うことで、行政指導を受けるリスクを防ぎます。

④ ワンストップの安心感とコンプライアンスの強化

建設業許可や関連する各種法令に精通した行政書士であれば、道路申請だけでなく、工事に付随する各種法的手続きのアドバイスも可能です。コンプライアンスを完全にクリアした安全な工事体制をアピールできます。

まとめ

建物の改修や塗装に欠かせない足場の設置ですが、その安全と適法性を担保するための道路使用許可・道路占用許可は、工事の成否を握る重要な手続きです。
道路申請手続きは、専門家である行政書士にぜひお任せください。確かな法的知識とフットワークで、お客様の円滑な工事スタートと安全な現場運営を力強くサポートいたします。
「グラス湘南行政書士事務所」