産業廃棄物収集運搬業の許可をお持ちの事業者様にとって、車両は法令遵守に則った管理が重要といえます。
特に車両の増車や減車、入替に伴う車検証の変更や、都市部におけるディーゼル車規制への対応は、適正な事業運営のために避けては通れません。
今回は、神奈川の行政書士が、産廃車両の変更届出の重要性とディーゼル車規制における注意点を実務的な視点で解説します。
車両変更届出の基本!?10日以内の提出が必要?
産業廃棄物収集運搬業許可において、使用する車両情報は許可台帳に登録されています。そのため、以下のような車両に関する変更が生じた場合、変更があった日から10日以内に管轄の自治体へ変更届を提出しなければなりません。
増車(追加)
事業拡大などに伴い、新しく車両を導入する場合。
減車(廃車・売却)
使用しなくなった車両を処分、売却する場合。
入替
古い車両を廃車にし、別の車両へ変更する場合。
特に注意が必要なのが、減車を放置してしまうことです。車両を手放したにもかかわらず、届出を忘れて許可台帳に残したままにしてはいけません。
万が一、その車両が中古車市場を経て、他社の手に渡った際、台帳上の所有者との差異で行政から指摘対象となるリスクがあります。
また、未登録の車両で運搬を行えば、マニフェスト(管理票)に記載される車両番号と許可情報が一致せず、排出事業者に対しても、迷惑をかけることになります。
ディーゼル車規制への対応
産業廃棄物収集運搬業許可を受けているからといって、どんな車両でも自由に走らせてよいわけではありません。特に首都圏をはじめとする、九都県市では、ディーゼル車に対する厳しい走行規制が設けられています。九都県市は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県および横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市を指します。
規制対象車両の確認方法
ディーゼル車規制の対象となるかどうかは、車検証の型式で判断します。型式が特定のアルファベットから始まる車両は、排出ガス基準を満たしていない可能性が高く、多くの自治体で走行が禁止されています。
特定のアルファベットとは「K-」「N-」「P-」「S-」「U-」「W-」「KA-」「KB-」「KC-」などが挙げられます。
中古車を購入して車両を入替する際は、購入前に必ず車検証のコピーを取り寄せ、この型式を確認しましょう。
規制対象の車両は、たとえ産廃許可証を持っていても、許可の登録対象外となるだけではなく、指定地域内を走行すること自体が違反となります。
規制をクリアするための対策
所有車両が規制対象であった場合、以下の対応が必要です。
粒子状物質減少装置の装着
各自治体が指定する適合装置を装着することで、走行が認められる場合があります。
車両の入替
根本的な対策として、規制に適合したグリーンディーゼル車やガソリン車等へ車両を入れ替えることが、長期的には安全なリスク管理となります。
実務上のミスと防止策
変更届をスムーズに受理してもらうためには、書類の不備を極力減らすことが重要です。
使用者欄の確認
原則として、車検証上の使用者欄が、許可申請者と一致している必要があります。許可申請者は、法人であれば法人名、個人事業主であれば屋号ではなく個人名となります。
リース車などで名義が異なる場合は、必ず賃貸借契約書等の準備が必要です。
写真撮影のコツ
車両の変更届には、車両の斜め前方および斜め後方からの写真が必須です。この際、車体表示(社名・許可番号)が鮮明に写っているかを確認しましょう。表示がないまま運搬を行うことは法律違反です。
駐車場の疎明資料
車両を保管する場所が変わる場合、駐車場の使用権原を証明する書類(登記簿謄本や賃貸借契約書)のほか、地図や配置図の添付も忘れないように注意が必要です。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業は、環境保全を預かる責任の重い事業といえます。車両の変更届ひとつ取っても疎かにすれば法律違反という代償を伴います。
・車両に変更があれば、10日以内に届け出る。
・車両入替時は、ディーゼル車規制(車検証の型式)を確認する。
車両管理や規制対応について、少しでも不安のある方は、ぜひ当事務所へご連絡ください。
「グラス湘南行政書士事務所」