建設業許可には29種類の業種がありますが、その中でもどの業種を取得するべきか判断に迷われるケースがあります。その一つに清掃施設工事があります。
清掃という言葉から、ビルメンテナンスやハウスクリーニングを連想される方も多いですが、建設業許可における清掃施設工事はそれらとは全く別物といえます。
今回は、清掃施設工事の定義から、混同しやすい他の業種との違いまで詳しく解説します。

清掃施設工事の定義とは?

国道交通省のガイドラインによれば、清掃施設工事とは以下のように定義されています。

し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事。

つまり、自治体が運営するような大規模なごみ焼却場や、し尿処理センターを建設する工事のことです。設備の一部交換ではなく、施設としての機能を構築する大規模な工事が該当します。

具体的な工事例

ごみ処理施設据付工事:焼却炉、破砕設備、リサイクル施設など。
し尿処理施設据付工事:大規模な浄化槽や処理プラントなど。

他の業種との比較

清掃施設工事は、他の管工事、機械器具設置工事、水道施設工事などと境界が曖昧です。ここを間違えると、せっかく取得した許可が実務で使えないリスクがありますので注意が必要です。

①管工事との違い

最も多い混同が浄化槽設置工事です。

管工事:住宅やビルに設置する小規模な浄化槽の設置。
清掃施設工事:地域全体のし尿を処理するような大規模な、し尿処置施設の設置。

実務上の目安として、処理対象人員が501人以上の大規模なものは清掃施設工事に該当するケースが多いです。

②機械器具設置工事との違い

清掃施設内には多くの機械が設置されますが、どちらに該当するかは目的で決まります。

清掃施設工事

し尿処理やごみ処理という施設の目的そのものを完成させる工事。

機械器具設置工事

汎用的な機械の据え付けや、他の専門工事に該当しない複雑な機械の設置。
原則として、清掃施設に該当するなら、清掃施設工事が優先されるという考え方があります。

③水道施設工事との違い

水を扱う施設という点で混同されやすいです。

水道施設工事:上水道、下水道(公共のもの)などの処理施設を建設する工事。
清掃施設工事:あくまで「し尿」と「ごみ」の処理に特化した施設を建設する工事。

清掃業は建設業ではないことに注意!

清掃施設工事の許可を持っていれば、ビルの清掃や排水管の洗浄業務ができると思われていることがありますが、これは誤解です。

建設業:施設を作る(建設する)
清掃業:既存の施設を維持する、管理する

床のワックス掛け、換気扇の清掃、貯水槽の洗浄などは、建設工事には該当しません。これらは別途、産業廃棄物収集運搬業やビルメンテナンス業などの登録、許可の範囲となります。

清掃施設工事の許可取得が難しい理由

清掃施設工事の許可取得は、29業種の中でもハードルが高い部類に入ります。その理由は、営業所技術者(専技)になれる資格が限られているからです。

・営業所技術者(専技)になれる主な資格
・1級衛生工学事務(廃棄物処理、汚物処理)
・技術士(衛生工学、機械、水道など)

一般的な1級土木施工管理技士や1級建築施工管理技士では、清掃施設工事の営業所技術者(専技)にはなれません。実務経験で証明する場合も、過去10年間のし尿処理施設やごみ処理施設の工事経歴が必要となるため、ハードルが非常に高くなります。

まとめ

清掃施設工事は、施設そのものを構築する大きな工事を指します。

・扱うのは「し尿」または「ごみ」の処理施設か?
・その工事は維持管理(清掃)ではなく建設(据付)か?
・技術者の資格は衛生工学などの要件を満たしているか?

取得予定の業種判断に少しでも迷われたらぜひ当事務所へご連絡ください。
貴社の実績を確認し、最適な業種での許可取得をサポートいたします。
グラス湘南行政書士事務所