街の景観や人々の生活に必要な植栽、広場、公園設備などの造園工事は多岐に渡ります。その造園工事を請け負う上で、その規模によっては建設業許可が必要となります。
建設業許可は、請負金額が500万円以上(建築一式工事の場合は1,500万円以上または延べ面積150平方メートル以上)の工事を請け負うために不可欠です。この許可を取得することは、信頼性の向上、大規模工事への参入、そして事業発展に直結します。
今回は、造園工事業の建設業許可、特に一般建設業許可を取得するための具体的な要件と、技術力を証明する上で重要となる造園施工管理技士などの技術検定の活用方法について解説します。

造園工事業許可を取得するための6つの要件

建設業許可を取得するためには、建設業法で定められた6つの要件をすべて満たす必要があります。造園工事業許可も例外ではありません。

①経営業務の管理体制

適切な建設業の経営を継続的に行うための体制が社内に整っていることが求められます。

・常勤役員等の中に、建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を持つ者、またはこれに準ずる地位での経験を持つ者がいることが一つの要件です。
・あるいは、常勤役員等が中心となり、それを補佐する者や外部人材を活用して継続的に経営を管理できる体制が構築されていることでも要件を満たせます。

この要件を満たした経験は、過去の工事請負契約書や請求書、入出金記録、登記簿謄本などの客観的な資料で証明する必要があります。

②営業所の技術者(専技)の設置

全ての営業所ごとに、その業種に関する一定の資格または実務経験を持つ、営業所の技術者(専技)を常勤で配置しなくてはなりません。営業所の技術者(専技)は、契約内容や技術的な適正を判断する重要な役割を担います。

③誠実性

法人または役員等が、工事請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないことが求められます。過去の法令違反や不誠実な行為の有無が審査されます。

④財産的基礎

請け負った工事を適切に履行できる財産的な基盤があることが必要です。

一般建設業許可の場合、原則として以下のいずれかを満たす必要があります。

・自己資本が500万円以上であること
・500万円以上の資金調達能力を有すること(金融機関の残高証明書などで証明)

⑤欠格要件に該当しないこと

申請者や役員等が、過去に建設業法違反による罰金刑を受けていたり、成年被後見人・被保佐人であったりなど、法令で定められた欠格要件に該当しないことが必要です。

⑥社会保険への加入

令和2年10月の法改正により、適切な社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)に加入していることが建設業法許可の要件となります。

技術検定の活用方法

6つの要件の中でも、多くの造園業者にとって、特に重要となるのが営業所の技術者(専技)の設置です。この要件を満たす上で、技術検定の資格を保有していることが最も確実な方法といえます。
造園工事業の営業所の技術者(専技)になるためのルートは主に以下の3つです。

方法一般建設業許可の要件特定建設業許可の要件
資格2級造園施工管理技士、1級施工管理技士、技術士(建設部門など)1級造園施工管理技士、技術士(建設部門など)
指定学科卒業+実務経験高校卒業後5年、大学・高専卒業後3年
実務経験10年以上の実務経験

2級造園施工管理技士の活用

一般建設業許可の営業所の技術者(専技)として、最もポピュラーな資格といえます。
資格を取得すれば、学歴や実務経験の年数に関わらず、すぐに営業所の技術者(専技)としてに認められます(ただし、技能検定2級の場合は合格後3年以上の実務経験が必要な場合があります)。
資格証の提示だけで要件を満たせるため、10年分の実務経験を書類で証明する手間を省くことができます。

1級造園施工管理技士の活用

一般建設業許可はもちろん、大規模な工事を請け負うための特定建設業許可の営業所の技術者(専技)または、特定建設業許可に必要な監理技術者にもなることができます。
1級の資格は、企業の技術力を対外的に示す強力な証明となり、事業拡大につながる機会といえます。

実務経験ルートの課題と資格の優位性

実務経験10年のルートで営業所の技術者(専技)になる場合、その10年間の実務が造園工事であること、そしてそれを裏付ける工事請負契約書、請求書、入金確認ができる通帳などの膨大な客観的な資料を揃える必要があります。
これらの書類が欠けている場合、許可行政庁の審査で認められず、許可が下りないリスクがありますので注意が必要です。
一方、造園施工管理技士などの国家資格を保有していれば、資格証のコピーを提出するだけで、技術力に関する要件はクリアできます。

まとめ

造園工事業の建設業許可は、企業の信頼と発展に欠かせないステップといえます。許可には経営業務の管理体制の証明と営業所の技術者(専技)の確保、特に造園施工管理技士などの技術検定資格の活用が、手続きをスムーズに進める上で有効です。
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グラス湘南行政書士事務所