建設業許可を取得すための手続きは、提出書類が多く、要件も細かく定められているため、「何から手をつけていいのか分からない」と悩む方も少なくありません。
特に、許可申請の際に参照すべき、非常に需要な指針となるのが建設業許可事務ガイドラインです。このガイドラインを理解せずに申請を進めると、思わぬ不備で審査がストップし、許可申請が遅れる原因となります。
今回は、この建設業許可事務ガイドラインの概要とその重要性を解説し、許可申請で失敗しないための具体的なポイントをお伝えします。
建設業許可事務ガイドラインとは?
「建設業許可事務ガイドライン」とは、国土交通省が策定し、各都道府県や地方整備局などの許可行政庁が建設業許可の審査事務を行う際の統一的な基準を示したものです。
これは、建設業法や建設業法施行令といった法令だけでは解釈が分かれてしまうような、具体的な許可要件の判断基準や、申請書類の取扱いなどについて細かく解説しています。
ガイドラインの役割と重要性
このガイドラインの役割は全国どこで申請しても同じ基準で審査が行われるようにすることです。
申請者にとっての重要性
申請者は、このガイドラインを読むことで、「許可行政庁が何を求めているのか?」「どの様な書類が必要で、どんな基準で判断されているのか?」を把握できます。これは、不備のない申請書類を作成するためのマニュアルといえます。
許可行政庁にとっての重要性
行政庁の担当者が統一的な判断基準を持つことで、恣意的な判断を防ぎ、公平かつ迅速な審査に役立てます。
失敗しないための事務ガイドライン活用
事務ガイドラインは、読み解くのが難しい部分もありますが、最低限、次の3つのポイントを意識するだけで、申請の失敗を減らすことができます。
ポイント1:常勤役員等(経営業務の管理責任者)の要件を確認する
建設業許可の最大の難関とされるのが、常勤役員等の要件といえます。
事務ガイドラインでは、法人の役員や個人事業主としての経験期間や、具体的な職務内容について、詳細な解釈が示されています。
チェックすべき項目
役員としての経験だけでなく、補佐経験など、申請できる要件が複数パターン提示されています。
注意点
経営者であったということだけではなく、財務管理、労務管理など、経営全般に関与していたことを客観的に証明する書類が求められます。事務ガイドラインに記載された期間や証明方法に合致しているか、入念に確認しましょう。
ポイント2:営業所の主任技術者等(専任技術者)の実務経験証明を具体的にする
建設工事に関する専門知識を持つ営業所の主任技術者等(専任技術者)も、許可の必須要件です。
事務ガイドラインでは、実務経験で申請する場合(学歴や資格がない場合)の、実務経験として認められる工事の具体例や経験を証明するための裏付け書類について詳しく記載されています。
チェックすべき項目
実務経験の期間(通常10年以上)はもちろん、その経験が申請する業種の工事に該当するか。
注意点
実務経験を証明する契約書、注文書、請書、請求書などは、経験期間の全期間を網羅し、かつその内容が建設工事であることが明確に分かる必要があります。在籍証明のみでは不十分ですので注意が必要です。
ポイント3:添付書類の例示を見落とさない
事務ガイドラインの後半には、申請書に添付すべき確認書類の例示が掲載されています。法令に書かれていない、行政庁が実際に求めている書類がここにあります。
具体例
営業所の所有権を確認するための賃貸借契約書、財産的基礎・信用を証明するための残高証明書など。
注意点
これらの書類は、最新であること、有効期限内であること、コピーではなく原本提示が必要なものがあることなど、細かなルールが存在します。
申請前に、事務ガイドラインで示されている添付書類一覧と、ご自身の用意した書類を照合する作業が必要となります。
行政書士は、事務ガイドラインを含む法令・通達を熟知した専門家です。
書類作成のプロ
必要なすべての書類を事務ガイドラインの要求通りに作成・収集します。
スムーズな行政手続き
許可行政庁との事前相談や審査過程での質疑応答も代行し、時間やコストを削減します。
許可取得を検討されている方は、まずはご相談ください。貴社の事業発展を、行政手続きの面からサポートします。
「グラス湘南行政書士事務所」