建築工事やリフォームなどの現場において、資材の搬入出は避けて通れない作業といえます。しかし、都市部や幅員の狭い道路では駐車禁止指定されていることも多く、トラックを停めて資材を下ろしたいが、駐車違反の懸念や道路使用許可を取れば停めても問題ないのか疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からいうと、駐車禁止場所であっても、適正な手続きと条件を満たせば駐車許可や道路使用許可を取得して資材搬入を行うことができます。
今回は、道路使用許可と駐車許可の違いやスムーズに許可を取得するためのポイントを解説します。
道路使用許可と駐車許可の明確な違い
資材搬入のために道路へ車両を停めたり作業を行う場合、道路使用許可と駐車許可の違いで混同しやすいといえます。
道路使用許可(道路交通法第77条)
道路に資材を一時的に仮置きしたり、クレーン車を据え付けて荷卸し作業を行うなど、片側交互通行や車線規制を伴う作業時に必要な許可です。道路を本来の目的以外で継続して使用する場合ということになります。道路使用許可は管轄の警察署に申請します。
駐車許可(道路交通法第45条の2)
引っ越しや店舗への納品、建築資材の搬入出などで、やむを得ず駐車禁止場所に一定時間駐車する場合に行う手続きです。こちらも管轄の警察署への申請となります。
駐車禁止場所で資材搬入を行うために
現場の状況によって、どの手続きを選択すべきかが異なります。実務上は以下の3つのいずれかに分類されます。
①短時間の積卸しによる例外
人の乗降や、短時間の荷物の積卸しに該当する場合で、運転手が車両の直近にいて、直ちに運転を移動できる状態であれば、そもそも駐車禁止除外の対象となり、個別の許可が不要なケースがあります。
但し、あくまで短時間かつ、すぐに動かせることが前提です。資材の量が大量で、荷卸しに時間を要する場合や、運転手が車を離れて荷物の仕分けや現場内での作業に加わっている場合は、対象外となります。
➁駐車許可を取得するケース
周辺に代わりの駐車スペースがなく、建築資材や重量物の搬入のために、やむを得ず駐車禁止場所に車を停めて作業・荷卸しをする必要があると認められる場合です。
業務の正当性、代替手段の無し、交通の安全が確保されていることなどが条件となります。なお、令和7年以降、警察庁の通達等による運用見直しが進められており、全国的な基準の明確化や手続きの適正化が図られています。
➂道路使用許可または両方で取得するケース
車の駐車のみならず、以下のような行為を伴う場合は、道路使用許可が必要になります。
・車道の一部に建築資材やパレットを一時的に仮置きする。
・ユニック車やクレーン車を路肩・車道に停め、アウトリガーを張り出して作業を行う。
・資材搬入に伴い、通行人の安全確保のために歩道や車道の一部を塞ぐ。
この場合、道路使用許可と、その場所での駐車を伴う実態から、実務上は警察署と協議を行い、安全対策を講じた上で適切に手続きを進める必要があります。
許可取得に向けたポイントと注意点
路上待機の許可は下りない
例えば、前の現場が押しているたり、到着が早すぎたという理由で、搬入時間の前に近隣の道路でトラックを路上待機させる行為は、道路使用許可、駐車許可のいずれにおいても認められません。あらかじめスケジュールを厳密に管理する必要があります。
交通誘導員の配置は必須
資材搬入によって歩行者や一般車両の安全な通行が妨げられる場合、警察署との事前協議において、道路誘導員の配置が許可の条件となります。
余裕を持ったスケジュール調整
道路使用許可・駐車許可ともに、申請から交付までには数日〜1週間程度の審査期間が必要です。搬入日が決まり次第、速やかに位置図、詳細図などの図面や申請書を準備し、所轄警察署へ事前協議するのが原則です。
まとめ
建設業における資材搬入時の駐車や道路使用は、ルールを守って正しく申請することで、近隣からのトラブル防止や違反リスクを減らし、安全かつ円滑に工事を進めることに繋がります。
道路使用許可、駐車許可などでお困りの際は、当事務所までお気軽にご相談ください。現場の円滑な工事運営を、サポートいたします。
「グラス湘南行政書士事務所」