建設業許可を検討する際、建物の建具や壁紙を貼る工事は、内装仕上工事と直感的に判断してしまいがちです。しかし、工事内容をしっかり確認してみると、大工工事に該当するケースがあります。
今回は、内装仕上工事の定義から、混同しやすい他の専門工事との境界線まで、詳しく解説していきます。
内装仕上工事の定義とは?
国土交通省のガイドラインによると、内装仕上工事は以下のように定義されています。
木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内部を仕上げる工事。
平たく言うと、建物の骨組みが完成した後に、目に見える内側を綺麗に整え、居住性や機能性を高める仕上げ作業全般を指します。
具体的な工事例
・インテリア工事:壁紙、クロス、カーペットの貼り付け
・床仕上工事:OAフロア設置、フローリング、タイルカーペット
・内装間仕切り工事:パーテーション設置など
・たたみ工事・ふすま工事
・防音工事:室内の吸音板設備など
他業種と混同しやすいポイント
内装仕上工事の申請で、他業種との重複や混同があります。これを間違えると、行政庁からの差戻しの原因となりますので注意が必要です。
➀大工工事との違い
・内装仕上工事:壁紙を貼るための下地となるボード貼りや、表面の仕上げ。
・大工工事:木材を使って建物の構造体を作ったり、柱や床の骨組みを組んだりする工事。
例えば、木造住宅の床板貼りは、一般的に大工工事に分類されることが多いですが、リフォームにおけるクッションフロアの貼り替えなどは、内装仕上工事に該当します。
➁左官工事との違い
壁を貼るという行為において混同されます。
・内装仕上工事:既製品のパネルや壁紙を貼る。
・左官工事:モルタル、プラスター、漆喰などを練って塗る作業。
珪藻土や漆喰仕上げは、原則として左官工事となります。
➂建具工事との違い
襖やサッシがどちらに含まれるかという問題です。
・内装仕上工事:ふすまの貼り替え、カーテンレールの貼り付け。
・建具工事:サッシの取り付け、金属製ドアの設置、木製建具の製造・据付。
建具そのものを設置するのは建具工事ですが、既存の建具表面を仕上げるのは内装仕上工事という考え方です。
➃防水工事との違い
室内であっても、水回りは注意が必要です。
・内装仕上工事:キッチンやトイレの床にビニールタイルを貼る。
・防水工事:アスファルト、シート、ウレタン等を用いて漏水を防ぐための処置を行う。
実務で迷いやすい特殊なケース
建具の据付工事
既製品の建具を配置するのは、建設業法上の工事には当たりませんが、現場で加工して建物に固定する作り付け家具などは、内装仕上工事に該当するケースが一般的です。
防音・吸音工事
音を遮るための壁を作るのか、音の響きを調整する吸音板を貼るのかで判断が分かれます。前者は建築一式工事や大工工事の側面が強くなりますが、後者は明確に内装仕上工事です。
なぜ業種の判断を間違えてはいけないの?
内装でも大工でも、どっちでもいいじゃないか・・
・・と思われるかもしれません。しかし、建設業許可においては業種選択が取得の可否を決定します。
➀実務経験が認められない
内装仕上で申請したのに、提出した注文書の内容がすべて大工工事だった場合、10年の実務経験期間は大工工事としての経験となります。
➁営業所技術者(専技)の要件不一致
例えば、お持ちの資格や学歴が、大工には対応していても、内装仕上には対応していない場合、内装仕上工事としての許可が下りません。この場合、大工工事として申請することになります。
➂附帯工事の解釈ミス
主たる工事に付随する附帯工事として処理できる範囲を超えてしまうと、建設業法違反を問われるリスクがあります。
まとめ
内装仕上工事は、建築一式工事に近いほど広範な作業を含みます。それゆえに、どの工事をメインとして実績を積んできたかを客観的に証明することが、許可取得の肝となります。
本当に内装工事でいいのだろうか・・
複数の業種にまたがっている気がする・・
・・そのような疑問をお持ちの方は、ぜひ当事務所へご連絡ください。
過去の契約書や見積書を確認し、最適な業種での許可取得をサポートいたします。
「グラス湘南行政書士事務所」