空き家を有効活用する、いわゆる民泊は近年ますます増加しています。
しかし、民泊ビジネスは関係法令が多く、一歩間違えると無免許営業として厳しい処分を受けるリスクがあります。
今回は、宅建業免許を取り扱う行政書士の視点から、民泊ビジネスにおける宅建業免許の境界と事業を進めるにあたってのリスク管理について解説します。
民泊ビジネスの形態と宅建業法の接点
民泊は関わり方によって法的な役割が異なるという点があります。以下に民泊の形態を挙げます。
物件オーナー型(自己所有)
自分で所有する物件を民泊として貸し出す場合。
転貸(サブリース)型
オーナーから物件を借り上げ、それを宿泊客に貸し出す場合。
運営代行型
オーナーから委託を受け、清掃や鍵の受け渡し、宿泊客対応を行う場合。
仲介(マッチング)型
物件オーナーと宿泊希望者を繋ぐプラットフォーム運営等。
宅建業法において免許が必要となるのは、主に不動産の賃貸の媒介・代理および反復継続して行う賃貸業です。民泊という特殊な形態が、この賃貸に当たるかどうかが判断の分かれ目となります。
宅建業免許が必要となる境界
以下のケースでは、宅建業免許が必要となる可能性が高いです。
➀仲介に関与する場合
第三者であるオーナーと宿泊者の間に入り、賃貸借契約を媒介・代理して報酬を得る場合、宅建業法上の媒介に該当します。WEBサイト上でこの物件を貸しますと宣伝し、契約まで導くような行為は、広告掲載の枠を超え、宅建業免許が必須となります。
➁実質的な賃貸業とみなされる場合
旅館業法や住宅宿泊事業法(民泊新法)の適用外となるような中長期的な賃貸借契約を反復継続して行う場合、宅建業としての実態があるとみなされます。特に民泊と銘打っていても、契約内容が実質的に一般的な賃貸借であれば、宅建業免許なしでは行うことはできません。
住宅宿泊事業法(民泊新法)の注意点
民泊新法による届出を行えば、宅建業免許がなくても民泊自体は可能です。しかし、ここで注意するべきは管理業務の委託です。
住宅宿泊管理業者としての登録
家主不在型の民泊において、物件の維持管理や宿泊客対応を代行する場合、別途住宅宿泊管理業者としての登録が必要です。
宅建業とのダブルライセンス
宅建業者であれば、この管理業務を付加価値として委託することで、物件探しから運営管理までをワンストップで提供できるようになります。ここが、事業の展開を広げる機会といえます。
行政書士への相談の必要性
民泊ビジネスの法的なハードルは、宅建業法の有無だけではありません。
自治体ごとの条例
神奈川県内の自治体を含め、地域によっては営業時間の制限や周辺住民への周知義務など、国よりも厳しいルールを設けている自治体もあります。民泊ビジネスを検討している地域管轄の自治体の条例は必ず確認しましょう。
消防法・建築基準法
宿泊施設として使用する場合、住宅とは異なる避難経路や防火設備などの安全基準が求められます。これらを度外視した運営は、事故が起きた際に経営者自身の責任となります。
行政書士は、このような複雑な許認可の要件を整理し、顧客が安心して本業に集中できる環境をサポートいたします。
まとめ
民泊ビジネスはインバウンドの増加により、正しく運用すれば魅力的な事業です。しかし、法令の解釈を誤ったままスタートすることは、リスクでもあります。
自身のビジネス形態なら、どの許認可が必要か?
今の運営方法は法律に抵触していないか?
このような不安を少しでもお持ちでしたら、当事務所までご連絡ください。
当事務所では、建設業許可、宅建業免許申請を取り扱っております。お気軽にお問い合わせください。
「グラス湘南行政書士事務所」