転職にまつわるトラブルは非常に多いといえます。転職こそ、今や珍しくはないものの、昨今退職代行などが利用され、何かと話題となっていますが宅建業者においても例外ではありません。以前の会社で宅建士として登録を受けており、新たな会社で宅建士登録をする際、ふと不安によぎる、以前の会社での手続き・・
前の会社、私の退任届を出してくれているのだろうか・・
今回は、そんな不安を抱える宅建士の皆様に向けて解説します。

そもそも2つの手続きが動いている?

宅建士の転職には、会社側の手続きと宅建士個人の手続きの2種類があるという点です。

会社側の手続き(変更届)

宅建業法第9条に基づき、免許を受けている会社が専任の宅建士が変ったことを、免許権者である都道府県知事などに届け出るものです。

宅建士個人の手続き(変更登録申請)

宅建業法第20条に基づき、宅建士本人の勤務先が変わった旨、登録先の知事に届け出るものです。
問題は、会社側の手続きが完了していないのに、宅建士個人の手続きを進めても大丈夫なのか、という点です。

前の会社が手続きを放置していても、差し支えない?

結論からいうと、前の会社が退任の届出を出していなくても、宅建士本人が新しい会社への変更登録手続きを済ませてしまえば、実務上は全く差し支えありません。
これには、宅建士本人による変更登録が審査において優先されるからです。
この変更申請を行い、それが受理されれば、データ上はあなたの勤務先が更新されます。

なぜ本人優先で大丈夫なの?

許可行政庁側の視点に立つと分かりやすいのですが、もし会社側の届出がなければ転職できないというルールにしてしまうと、会社側が辞めさせたくない等の理由で届出を出さない場合、宅建士本人は困ってしまいます。
そのため、実務上は以下の流れで処理されます。

➀宅建士本人が勤務先変更を申請する。
➁登録情報が新しい会社に更新される。
➂もし前の会社が退任届を出していなければ、前の会社の免許情報に矛盾が生じますが、それはあくまで前の会社の責任となる。

前の会社が手続きを忘れていることのリスクは?

前の会社が専任宅建士の退任届を放置した場合、以下のようなリスクを負うことになります。

宅建業法違反(指示処分や過料の対象)

変更があった日から14日以内に届け出ることが義務付けられています。放置は明確なルール違反となります。

免許更新時のトラブル

5年に一度の免許更新の際、実態と届出内容が食い違っていると、整合性を合わせるために過去に遡って始末書(理由書)の提出を求められる場合があります。

スムーズな転職のために

トラブルを最小限にするために、以下の2点は押さえておきましょう。

➀退職時に従業者名簿を確認しておく

自分の退職年月日が正しく記録されているか確認しておくと、万が一、後からいつ辞めたのかと、揉めた際の証拠になります。

➁本人の変更登録を速やかに行う

前の会社がどうであれ、あなた自身の変更登録は義務です。これを怠ると、新しい会社にはあなた(専任の宅建士)が設置されていない状態になり、業務停止などのリスクを抱えることになります。

まとめ

前の会社が手続きを怠っていたとしても、あなた個人の変更登録さえしっかり行えば、問題ありません。
もし、新しい会社での免許手続きと併せて代行したいという場合は、当事務所へご連絡ください。複雑な書類作成や行政との調整を承ります。
グラス湘南行政書士事務所