産業廃棄物の許可申請書において、最も間違えやすいポイントの一つとして、許可申請書第一面の別表があります。
一見するとただのチェックリストに見えますが、ここを書き間違えると、補正の原因になったり、最悪の場合、許可取得が遅れたりするリスクがあります。
今回は、神奈川県知事宛ての申請を念頭に、産業廃棄物収集運搬業許可申請書 第一面別表の正しい記載方法を、実務のポイントを押さえて解説します。

そもそも「別表」には何を書くのか?

※神奈川県 産業廃棄物・特別管理産業廃棄物収集運搬業許可申請等の手引き 抜粋

許可申請書の第一面の下部に位置する「別表」は、皆さんがどの種類の廃棄物を、どういう状態で運ぶのかを宣言する極めて重要な要素といえます。
この表に記載した内容が、そのまま許可証の取り扱う産業廃棄物の種類に反映されます。

記載の鉄則:全ての欄に「〇」を付ける

別表には、取り扱う品目ごとに「石綿含有」「水銀使用製品」「水銀含有」などの細分化された列があります。
ここでよくあるミスが、石綿を扱っていないことを理由に空欄で出してしまうことです。取り扱う品目については、該当する・しないに関わらず、全ての列に対して「〇」か「―該当なし」を明記しなければなりません。
「〇」を付けるべき場所にだけ付けるのではなく、空欄を一切作らないのが実務上のルールです。

整合性が肝!事業計画書と現行許可証とのチェック

別表を埋める際、必ず確認するべき書類が2つあります。

①事業計画書 第1面
②現行の許可証(更新申請の場合)

事業計画書との一致

申請書の別表は、あくまで結果をまとめた表です。その根拠となるのは事業計画書です。事業計画書では、廃プラスチック類(石綿含有を除く)としているのに、別表では石綿含有含むに〇がついているといった不整合は、審査で指摘される要因となりますので注意が必要です。

更新許可申請での注意点

更新申請の場合、基本的には現行の許可証の内容をそのまま引き継ぐことになります。しかし、今回の更新を機に取り扱う品目を追加したり、逆に返上したりする場合は、現行許可証・事業計画書・申請書別表の3点が、新しい計画に基づいて完璧にリンクしている必要があります。

カッター汚泥の落とし穴

ここから神奈川県で申請を行う際の最重要ポイントです。
道路の切断作業などで発生するカッター汚泥。これを収集運搬したいというニーズは非常に多いですが、神奈川県には独自の運用ルールが存在します。
神奈川県では、カッター汚泥を「汚泥」と「廃アルカリ」の混合物として取り扱います。
カッター作業で使用される冷却水は、コンクリートの成分が溶け出すことで強いアルカリ性を示すためです。そのため、カッター汚泥を運びたい場合は、以下の両方を申請し、別表に〇を付ける必要があります。

・汚泥
・廃アルカリ

もし汚泥だけで申請を出してしまうと、神奈川県ではカッター汚泥の運搬は認められない扱いになってしまいます。
汚泥許可があるから大丈夫・・という思い込みは危険です。

記載例とチェックポイント

改めて別表を記載する際のチェックリストを確認しましょう。

別表記載のチェックリスト

・「 」空欄はないか?(該当しない箇所は「―」を記入)
・事業計画書第1面の内容と一致しているか?
・更新の場合で、現行の許可証と照らし合わせて、変更点に矛盾はないか?
・石綿含有産業廃棄物を含むかどうか、品目ごとに正しく〇が付いているか?
・カッター汚泥を扱う場合、「汚泥」と「廃アルカリ」の両方に〇が付いているか?

特筆すべき「水銀」関連

近年、水銀に関する規制が強化されています。「水銀使用製品産業廃棄物」や「水銀含有ばいじん等」についても、取り扱いの有無を正確に判別し、別表に反映させる必要があります。

まとめ

産業廃棄物収集運搬業の許可申請は、一見すると定型的な手続きに見えますが、実際には自治体ごとのローカルルールや最新の法改正に伴う運用変更が頻繁に起こります。
特に神奈川県は、カッター汚泥の例に見られるように、環境保全の観点から非常にきめ細やかな指導を行っている自治体です。
また、正確な書類作成は、最短での許可取得への近道であるだけではなく、将来的なコンプライアンスを守ることにも繋がります。
事業計画書との整合性が取れているか不安な方は、ぜひ、当事務所へお気軽にご相談ください。
グラス湘南行政書士事務所