支店や営業所が増えるたびに、「許可申請も煩雑になるのでは?」「各営業所で別々に手続きが必要なのか?」このような不安を感じる方もいらっしゃるでしょうか。
建設業許可制度には、「国土交通大臣許可」という複数の都道府県に営業所を持つ業者様にとって大きなメリットをもたらす仕組みがあります。
今回は、この国土交通大臣許可の概要と、業者様の業務効率化やコスト削減にどのように影響するか解説します。
建設業許可の基本!知事許可と国土交通大臣許可の違い
知事許可(都道府県知事許可)
対象
営業所が同一の都道府県内のみに存在する建設業者。
特徴
申請先は、その都道府県の知事です。手続きは比較的シンプルですが、他の都道府県で建設業法上の営業所を新設する際には、許可換え新規という煩雑な手続きが必要になります。
大臣許可(国土交通大臣許可)
対象
営業所が2つ以上の都道府県にまたがって存在する建設業者。
特徴
申請先は国土交通大臣です。実際は、主たる営業所を管轄する地方整備局などを経由します。この大臣許可が、複数の営業所を持つ建設業者が利用する仕組みとなります。
営業所ごとに許可を取る必要はありません。建設業許可は、会社という法人(または個人)に対して与えられるものであり、大臣許可を取得すれば、全国どこに営業所を新設しても、一つの許可で事業を継続できます。
大臣許可がもたらす4つのメリット
大臣許可は、特に事業拡大を目指す企業にとって、主に以下の4つのメリットがあるといえます。
メリット1:事務手続きの効率化と負担軽減
統一された手続き
大臣許可を取得すれば、全国どの都道府県に新たに営業所を新設しても、原則必要な手続きは、統一されます。
許可換え新規の不要
知事許可の場合、他県に営業所を出すたびに、それまでの知事許可を廃止し、大臣許可を新たに取得し直す(許可換え新規)必要があります。もともと大臣許可であれば、この許可換え新規が不要になります。
一本化された管理
決算変更届や役員の変更届などの各種届出も、すべて主たる営業所を管轄する地方整備局などを通じて一括で行えるため、各営業所での書類作成や提出の手間を解消できます。
メリット2:コストと時間の削減
新規申請時のコスト削減
営業所を増やすたびに許可換え新規を行う場合、その都度、新規申請の手数料や行政書士へ依頼する費用が発生します。大臣許可は一度取得すれば、将来的な支店展開に伴う追加の大きな行政コストを削減できます。
メリット3:全国規模での信頼性獲得
営業所エリアの明示
許可証に国土交通大臣許可と記載されることで、全国規模で事業を展開している企業であることを対外的に示すことができます。
企業の安定性や規模を示す
ゼネコンや公共工事の入札において、大臣許可は企業の安定性や規模を示す重要な指標の一つとなり、競争力強化に繋がるといえます。
メリット4:営業戦略の自由度が増す
速やかな支店展開
事業が拡大し、他県へ進出する際に、行政手続きが短縮されるため、比較的速やかに新たな営業所を設置できます。市場ニーズに合わせた柔軟な経営判断が可能になります。
全国統一の事業計画
許可管理に煩わされることなく、事業計画や営業戦略に集中できる環境が整います。
大臣許可を取得する際に注意点
メリットがある一方で、大臣許可の取得、維持には知事許可とは異なるいくつかの注意点があります。
注意点①:人的要件は各営業所で必須
建設業法上の営業所であるためには、主たる営業所(本店)には常勤役員等(経管)の体制と営業所の技術者(専技)を、従たる営業所(支店など)には建設業法施行令第3条に規定する使用人と営業所の技術者(専技)を常勤させる必要があります。
特に、営業所の技術者(専技)は一つの営業所につき一人必要であり、複数の営業所を兼任することはできません。この人的要件の確保は、大臣許可を取得する際の最大のハードルといえます。
注意点②:提出書類の増加と審査の厳格化
大臣許可は、知事許可に比べて提出書類が多く、審査もより厳格に行われる傾向にあります。特に、複数の営業所の要件(場所の権原、事業所の実態、人的要件など)について、詳細な確認が入ります。
注意点③:更新手続きのタイミング
許可の有効期間は5年間で、更新手続きは一律で、主たる営業所を管轄する地方整備局などを経由して行います。この更新時期に遅れないよう一元的な管理が求められます。
まとめ
煩雑な許可管理から解放され、営業に集中できる環境は、競争力を向上させることに繋がります。「自社が大臣許可の要件を満たしているのか?」「人的要件をどのようにクリアするべきか?」などの疑問をお持ちでしたらぜひ、当事務所へご相談ください。
速やかな大臣許可の取得、そしてその後の維持管理までサポートさせて頂きます。
「グラス湘南行政書士事務所」