建設業許可には、超えなくてはいけない高いハードルに、営業所技術者(専任技術者)の要件というものがあります。

75歳以上の経験豊富なベテラン技術者を、専任技術者にしたいという会社も少なくありません。また、昨今の建設業界の人手不足により、75歳以上の熟練した技術者を、置きたいという会社もあるのではないでしょうか。

結論から言うと、75歳以上の後期高齢者でも、要件を満たすことができれば、専任技術者になることは十分可能です。

しかし、通常の許可申請とは異なり、常勤性を証明するハードルは、特に高くなります。

今回は、後期高齢者の常勤性の証明について解説します。

営業所技術者(専任技術者)の要件とは?

年齢制限の有無

営業所技術者(専任技術者)には、年齢制限がないため、後期高齢者が理由で満たせなくなることはありません。

資格要件

特定の国家資格や大臣認定資格などを持っている。

例えば、業種にもよるのですが、1級・2級建築士、1級・2級施工管理技士などがこれにあたります。

実務経験の要件

指定の学歴または10年以上の実務経験があること。

長年の経験を持つ後期高齢者の場合、これらの要件はクリアしているケースがほとんどです。

最大のハードル!常勤性の証明とは?

建設業許可における営業所技術者(専任技術者)は、営業所に常勤していることが要件として定められています。これは単に社員として在籍しているだけではなく、営業時間中に技術的な判断や指示ができる状態で、勤務していることを指します。

健康状態の証明

健康状態の証明については、最新の健康診断書を提出します。または医師の診断書により、特定の持病がないことや健康であることを証明します。

勤務実態の証明

後期高齢者となれば、正社員ではなく嘱託として勤務しているケースが多いため、毎日の出退勤が記載されている出勤簿や、タイムカードが証明書類となります。また、毎月の給与明細も出勤日数の確認ができることから、有効といえます。

勤務実態の注意点

在宅勤務や時短勤務などのパートタイマ―だと、週に2日~3日出勤の可能性があり、常勤性があると認められないケースがほとんどです。事業所の営業時間中は原則、事業所内で常勤しており、業務を行っていることが求められます。

社会保険の壁を乗り越える

75歳以上になると、会社が加入する健康保険や厚生年金保険といった社会保険の被保険者資格を喪失します。

代わりに、後期高齢者医療制度に加入することになります。通常、社会保険に加入していることは、常勤性証明の重要な要素ですが、後期高齢者の場合は、別のかたちで常勤性を証明しなければなりません。具体的には、会社との雇用関係が継続的に続いていることを、多角的に証明する必要があります。
また、2024年12月以降から、従来の社会保険証は、新規発行されなくなりました。後期高齢者医療の被保険者証も同様に発行されません。

後期高齢者の常勤証明方法

雇用契約書、賃金台帳

雇用契約書に常勤の記載があるか確認します。

住民税決定通知書

本人の給与所得または事業所得額が記載されており、会社から継続的な支払いを受けていることを公的に証明できます。社会保険に加入できない後期高齢者の場合、この書類は、雇用関係の証明に重要な役割を果たします。

ただし、住民税決定通知書だけでは、その勤務が常勤であるかまでは証明できません。あくまで給与が支払われていることの証明にとどまります。
会社が賃金を支払い、雇用契約に基づき常勤で勤務しているという実態を、多角的に証明することが重要となります。

やはり雇用契約書、出勤簿、業務日報など、勤務時間や業務内容を具体的に示す書類と、組み合わせて提出することが不可欠です。

まとめ

後期高齢者でも要件を満たせば、営業所技術者(専任技術者)になることは可能ですが、そのなかで常勤性の証明は、最もハードルが高く、要件を認めてもらうには、実態を多角的に証明する必要があり、難易度が高いといえます。
個別具体的な案件となるため、管轄の許可行政庁に事前相談というかたちで対応することが肝要といえます。
当事務所では建設業許可申請はもちろん、許可要件についてのご相談も承っています。お気軽にご連絡ください。

グラス湘南行政書士事務所