産業廃棄物の処理委託において、最も避けなければならないのは無許可業者への委託といえます。廃棄物処理法では、排出事業者に重い責任(排出事業者責任)を課しており、業者の不法投棄が発覚した際、許可があると思っていた・・という言い訳は通用しません。
では、どのようにして業者の許可状況を正確に把握すればよいのでしょうか。
今回は、産業廃棄物収集運搬業者を見極めるために、ネット検索を活用して許可の有無を確認する具体的な3つの方法を解説します。

環境省の外郭団体「さんぱいくん」で検索する

公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団が運営する「産廃処理業情報検索システム(さんぱいくん)」を利用する方法です。

「さんぱいくん」の特徴

このシステムには、全国の多くの処理業者が情報を登録しています。会社名や所在地、許可番号の一部から検索が可能です。

詳細情報の閲覧

許可の有無だけではなく、優良認定の有無、運搬車両の写真、過去の処理実績などの詳細な公開情報を確認できる場合があります。

情報の信頼性

自治体が発行した許可証の情報をベースにしているため、信頼性が高いです。
「さんぱいくん」への詳細情報の掲載は業者の任意であるため、すべての業者が詳細を載せているわけではありません。検索にヒットしないからといって直ちに無許可とは限りませんが、情報公開に積極的な業者を選ぶひとつの指標になります。

各自治体(都道府県・政令市)の公式ホームページを確認する

産業廃棄物収集運搬業の許可を出すのは、各都道府県(および保健所設置市などの政令市)の知事・市長です。各自治体は、自ら許可を出している業者の名簿を公式サイトで公開しています。

自治体名簿の確認手順

➀Googleなどの検索エンジンで「〇〇県 産業廃棄物処理業者 名簿」と検索します。
➁自治体が公開しているPDF形式やExcel形式の名簿、または検索データベースを開きます。
➂業者名で検索し、許可番号や有効期限を確認します。

自治体サイトで確認するメリット

自治体の名簿は、公式な行政資料であるため、最も公的な裏付けがある情報です。特に、許可の有効期限が切れていないか、行政処分を受けていないか、といった最新の情報を確認するのに適しています。

業者の公式サイトおよび許可証の写しを照合する

3つ目の方法は、検討している業者の公式サイトを確認するとともに、直接許可証の写しを掲示してもらうことです。

検索と現物でチェックする

ネット上の情報のみならず、最新の変更(住所変更や役員の変更など)が反映されるまでにタイムラグがある場合があります。

公式サイトのチェック

多くの優良業者は、自社サイト内で許可証のPDFを公開しています。

原本の掲示要求

契約前には必ず許可証の写しを提出させ、そこに記載された許可番号を、前述した公的なベータベースと突き合わせます。
許可証の右下にある固有番号を確認することで、その業者が他県でどのような許可を持っているかを追跡することも可能です。

検索、確認時にチェックするべき3つの落とし穴

許可が存在することを確認できても、それで安心とは限りません。以下の3つのポイントが欠けていると、法的には無許可委託とみなされる恐れがあります。

➀廃棄物の種類(品目)は合っているか?

産業廃棄物の許可は、20種類ある品目ごとに取得する必要があります。
収集運搬業の許可を持っているといっても、例えば、廃プラスチック類の許可しか持っていない業者にがれき類を委託することはできません。必ず、委託した品目が許可証に含まれているかを確認してください。

➁積込み場所と降ろし場所、両方の許可があるか?

収集運搬業において最も間違いやすいのが、エリアの問題が挙げられます。

例えばA県で積込み、B県の処分場へ運ぶ場合、業者はA県とB県の両方の許可を持っていなければなりません。なお、通過するだけの県であれば許可は不要ですが、出発地と到着地の許可は必須です。

➂許可の有効期限は切れていないか?

産廃許可証の有効期限は通常5年(優良認定業者は7年)です。
以前確認したから大丈夫と安心してはいけません。例えば、更新を失念していたり、更新申請中のまま許可が失効していたりするケースが稀にあります。契約更新時や定期的な監査時に、必ず最新の期限を確認しましょう。

まとめ

排出事業者にとって、産業廃棄物処理業者の許可確認は、自社を守るための防衛策でもあります。

➀「さんぱいくん」で検索する
➁自治体の公表名簿で行政の裏付けを確認する
➂許可証の写しを取り寄せ、品目とエリアを確認する

この3つを確認できれば、不適切な業者への委託リスクは減らすことができます。

この品目は、この許可で運搬できるの?
エリアの精査が複雑で不安・・

・・このような場合は、ぜひ当事務所へお気軽のご相談ください。正確な調査や契約書の内容までチェックすることもできます。より強固なコンプライアンス体制を構築していきましょう。
グラス湘南行政書士事務所