クレーン車やコンクリートポンプ車は、建築・土木工事やリフォーム現場に欠かせない車両といえます。
例えば、敷地に入りきらないので道路側に停めて作業したり、アウトリガーを張って作業を行いたいといったケースでは、道路交通法に基づく道路使用許可の取得が法律で義務付けられています。
許認可を専門に扱う行政書士が、実務上押さえておくべきポイントと申請の流れを解説します。
クレーン車・ポンプ車で許可が必要になるケースとは?
以下に該当する場合は原則として警察署長の道路使用許可が必要です。
重機の路上設置
車道や路側帯、歩道にクレーン車やポンプ車を停め、アウトリガーを展開して作業する場合。
上空・空間の占有
車両自体は敷地内や私道にあっても、クレーンのアームが道路上空を旋回する場合や、ポンプ車の配管が道路上空を通る場合。
資材の積み下ろし、荷卸し
路上に停めたトラック等からクレーンで資材を吊り上げ、敷地内へ搬入する場合やその逆の作業。
無許可での作業は道路交通法違反となり、罰則の対象となるだけでなく、万が一の事故の際に甚大なリスクを伴いますので注意が必要です。
申請時の3つのポイント
審査をスムーズに通し、現場の安全を担保するために、注意すべきポイントは以下の3点です。
① 吊り作業の旋回範囲と安全確保の明示
クレーン車の場合、車両を停める位置だけでなく、アームがどこまで旋回するかを図面に落とし込む必要があります。その範囲内の歩行者や一般車両を安全に誘導・遮断できる必要があります。
② 路上待機は許可されない
コンクリートポンプ車やミキサー車、クレーン車にありがちなのが、現場の敷地が狭いので、前の車が終わるまで手前の道路で待機させるという計画です。道路使用許可はあくまで、具体的な作業に対する許可であり、路上待機や駐車目的では許可が下りません。 現場に入るタイムスケジュールを厳密に組み、車両がスムーズに現場へ入れる動線を構築する必要があります。
③ 交通誘導員の配置計画
道路の一部を狭めたり、片側交互通行や歩行者を一時停止させたりする場合は、適切な人数と資格を持つ交通誘導員を配置し、その旨を申請書や計画書に明記しなければなりません。
道路使用許可申請の流れとスケジュール
申請から許可証が交付されるまでには、通常一週間から10日程度かかります。逆算して余裕を持ったスケジュール調整が必要です。
➀現場調査・作業計画の策定
重機のサイズ、作業時間帯、道路の幅員、周辺の交通量・交通規制の有無を調査します。
➁図面および申請書類の作成
申請書、現場の位置図、工作物・作業範囲・バリケードや看板の配置などを詳細に記載などの道路使用計画図、迂回路図などを作成します。
➂管轄警察署への事前協議・本申請
現場を管轄する警察署の交通課窓口へ書類を提出します。多くの警察署では、事前協議を求められます。
➃審査・許可証の交付
警察署での審査を経て、不備がなければ道路使用許可証が交付されます。また自治体や都道府県に応じた手数料が必要です。
➄作業の実施と許可証の携帯
許可書に記載された時間帯や誘導員の配置などの条件を厳守して作業を行います。作業現場には必ず道路使用許可書を携帯していなければなりません。
まとめ
クレーン車やポンプ車による道路使用は、一般歩行者や車両との接触事故リスクと常に隣り合わせといえ、危険が伴います。
万が一の事故の際に無許可であったり計画に不備があったりすると、会社の信用失墜や行政処分、損害賠償の面で致命的な打撃を受けかねません。
警察署との事前協議の時間が取れなかったり、工期が迫っていて急ぎで対応したいという場合は、当事務所へお気軽にご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」