近年、建設業界を取り巻く法律や制度は目まぐるしく変化しており、経営の進め方においても複雑化するばかりです。
このような中で、元請業者からの要請や大規模な案件の受注を目指して建設業許可の取得を検討される方もいらっしゃると思います。
建設業許可申請は行政手続きのなかでも、複雑であり法改正や手続きのデジタル化によってさらに変化しています。
今回は、横浜市の建設業者の方々に向けて、行政書士に申請を依頼するメリットを解説します。
建設業界を取り巻く環境変化と許可の重要性
許可の取得や維持を考える上で、最新動向を押さえておく必要があります。
➀改正建設業法の全面施行と標準労務費の導入
令和7年12月に全面施行された改正建設業法です。
この改正では、技能労働者の賃金引上げなどの適切な処遇改善を目的として、中央建設業審議会が標準労務費(労務費の基準)を作成・勧告する制度がスタートしました。これにより、以下のような厳しいルールが適用されています。
労務費ダンピングの禁止
著しく低い労務費による見積書の提出や、それを原資として不当な値下げ要求が禁止されました。
発注者側の原価割れ契約の禁止
元請だけではなく、下請側も総額価格での原価割れ契約を結ぶことが禁止されています。
国や行政による取引適正化への監視の目はこれまで以上に厳しくなっており、法令を遵守している証明としての建設業許可の価値は、社会的な信用面においても高まっています。
➁電子申請システム(JCIP)の普及
建設業許可や経営事項審査(経審)の手続きにおいて、建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)を用いたデジタル申請が主流となっています。
ペーパーレス化が進み便利になった反面、システムの操作や、電子申請特有の添付書類のデータ化・ルールに対応できず、かえって手続きに苦慮される方も少なくありません。
建設業許可の落とし穴
建設業許可には、経営管理体制の構築や営業所技術者の配置など、クリアするべき要件があります。
ここでは、実務上よくある誤解や落とし穴について、正しい情報を整理してお伝えします。
一般建設業と特定建設業は同一業種で同時に持てない?
建設業許可には「一般」と「特定」の2つの区分があります。
同一の会社が、まったく同じ業種について一般と特定の両方の許可を同時に受けることはできません。必ずどちらか一方を選択する必要があります。異なる業種であれば一般と特定を分けて持つことは可能です。
なお、特定建設業許可が必要となるのは、元請として工事を施工する際、下請けに発注する代金の総額が5,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上となる場合です。
自社の事業規模や元請・下請の立ち位置を正確に見極めて申請する必要があります。
神奈川県独自の審査基準と確認資料の注意点
建設業許可は法律に基づく全国共通の制度ですが、具体的な確認資料の運用や審査方法は、自治体によってルールが存在します。横浜市に主たる営業所を置く場合、神奈川県の最新の基準に合わせなければなりません。
➀常勤性の証明における資格確認書の注意点
許可要件である経営管理体制の要件や営業所技術者は、その会社に常勤していなければなりません。
近年、健康保険証の廃止に伴い、資格確認書などが発行されるケースとなりましたが、資格確認書には会社名が記載されていないことが多いため、それ単体では常勤性の証明資料として認められません。
神奈川県の審査においては、標準報酬月額決定通知書、住民税の特別徴収税額決定通知書など、会社名と本人の氏名がはっきりと結びつく書類を適切に用意する必要があります。
➁実務経験証明における他県ルールとの違い
営業所技術者の要件を、資格ではなく10年の実務経験などで証明する場合、過去の契約書や注文書、通帳などの入金確認資料を揃える必要があります。
例えば、東京都の審査では実務経験の証明期間中に3ヶ月以上の空白期間(工事実績のない期間)を認めないという厳しいローカル運用が存在しますが、神奈川県においては、東京都とは資料の求められ方や期間計算が異なります。
東京都の事例で書かれたネット上の情報を基にして、諦めてしまうのは非常にもったいないことです。神奈川県の最新の手引きを確認することが肝要です。
地域密着の行政書士に依頼するメリット
複雑な建設業許可申請ですが、横浜市内の地場や神奈川県の行政手続きの動向に精通した行政書士に依頼することで、事業者様には多くのメリットが生まれます。
行政書士に依頼するメリット
➀確実かつ迅速な要件診断
➁神奈川県の最新審査傾向への合致
➂膨大な書類収集・作成から解放され、本業に専念できる
まとめ
標準労務費などの改正建設業法への対応やデジタル化への移行など、コンプライアンスの遵守が求められる時代となっています。当事務所では湘南エリアはもちろん、横浜市を含む神奈川県全域の建設業許可申請に特化した行政書士事務所です。
小さなお悩みでも構いません。一度お気軽にご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」