建設業の大規模プロジェクトとして、CM(コンストラクション・マネジメント)方式というものがあります。
今回は、国土交通省のCM方式活用ガイドラインを紐解きながら、CM方式と建設業許可の関係性と実務上の注意点について解説します。
CM方式とは何か?
CM方式とは、プロジェクトを進めるにあたって、コンストラクション・マネージャー(CMR)である専門家が、発注者の立場に立ち、設計・発注・施工の各段階で技術的、中立的なマネジメント業務を行う手法のことをいいます。
ガイドラインでは、発注者の体制不足を補完し、コスト・品質・工期の適正化を図る有効な手段として推奨されています。しかし、CMRが自ら施工を請け負う訳ではないという点がポイントです。
ピュア型とアットリスク型の2つの違い
CM方式には、大きく分けて2つの形態により、必要な対応が異なります。
➀ピュア型CM方式
CMRはあくまで発注者の代理・補助として、設計図書のチェックや工程・予算管理などのマネジメント業務に徹します。
これは民法上の委任契約にあたり、工事完成の責任を負わない立場であるため、原則として建設業許可は不要です。
➁アットリスク型CM方式
CMRがマネジメントに加え、工事の完成責任を負ったり、コスト超過分を負担したりする場合です。こちらは実質的には請負契約に該当し、工事全体の完成を目的とするため、建設業許可が必要です。
ここでのポイントは、実態です。たとえば契約書名が業務委託契約であっても、その内容が工事の完成保証や施工リスクの負担を伴うものであれば、建設業法上の許可が必須となります。
活用ガイドラインを読み解くポイント
国土交通省のガイドラインを読む際、注目するべきはCMRの責任範囲の明確化です。
信頼関係と倫理性
ガイドラインは、CMRに高い倫理観を求めています。許可の有無に関わらず、CMRは設計者・施工者から独立していることが求められます。
契約内容の精査
顧問先がCM業務を受託したいと相談に来た場合、契約書に工事完成に関するリスクや契約不適合責任を負う条項がないか確認しましょう。
事前協議
公共工事や大規模案件の場合、許可行政庁の判断が分かれることもあります。マネジメントの範囲について、あらかじめ所管の窓口に相談しておくことが、リスク回避につながります。
まとめ
CM方式は、建設業の生産性向上と品質確保に大きく寄与する手法といえます。
しかし、その中立的な立場を担保するためには、建設業法という法律の枠組みを正しく理解し、適用することが不可欠です。
特に建設業許可をお持ちで、新規事業としてCM業務を検討される際は、以下の3点を確認してください。
➀契約形態がピュア型かアットリスク型か
➁工事の完了責任を負う内容が含まれていないか
➂常勤役員等(経営業務管理責任者)や営業所技術者(専技)などの建設業法上の許可要件とCM業務の専門性が整合しているか
当事務所では建設業許可申請を承っています。お気軽のご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」