建設業許可を維持し長く営業を続けていると、行政庁へ提出する書類が増えていくことにより、書類の写しが蓄積されていきます。この膨大な書類の管理に頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、建設業許可申請書類の保存期間から、実務上で捨ててはいけない理由まで、行政書士の視点で解説します。

建設業許可申請書類の保存期間は5年間?

法律上のルールを確認すると、建設業法施行規則に基づき、建設業者は営業所に「営業に関する帳簿」を備え、保存することが義務付けられています。

建設業法施行規則

第28条(帳簿及び図書の保存期間)

法第40条の3に規定する帳簿(第26条第6項の規定による記録が行われた同項のファイル又は電磁的記録媒体を含む。)及び第26条第2項の規定により添付された書類の保存期間は、請け負つた建設工事ごとに、当該建設工事の目的物の引渡しをしたとき(当該建設工事について注文者と締結した請負契約に基づく債権債務が消滅した場合にあつては、当該債権債務の消滅したとき)から五年間(発注者と締結した住宅を新築する建設工事に係るものにあつては、十年間)とする。

建設業許可の申請書類の控え自体についても、一般的には5年という期間がひとつの目安となります。しかし、ここで注意が必要なのは、施行規則で5年となっているから、5年経過後は処分してもいいというわけではありません。

なぜ5年を過ぎても処分してはいけないの?

実務上、5年前の書類、あるいはそれ以上に古い書類が必要になる場面が多々あります。主な理由は以下の3点です。

➀5年ごとの更新申請で過去のデータが必要になる

建設業許可は5年ごとの更新制です。更新申請の際、前回の申請内容と整合性が取れているかを確認する必要があります。
もし前回の控えを捨ててしまい、役員構成や営業所技術者(専技)の実務経験の積み上げなどの情報が分からなくなると、申請書の作成に時間がかかるばかりか、前回と矛盾が生じる内容になっていると、虚偽記載を疑われるリスクがありますので注意が必要です。

➁経営事項審査(経審)や入札参加資格審査での確認

公共工事への入札を検討している場合、経審を受けることになります。ここでは数年分の決算報告や工事実績が精査されます。また、自治体によっては過去〇年分の実績を遡って確認されることもあるため、法定期間を超えて書類を保管しておくことが肝要です。

➂実務経験を証明する唯一の手段

特に営業所技術者(専技)の交代や追加の際、資格を持たない方の場合は10年間の実務経験を証明しなければなりません。この時、過去の建設業許可申請書の控えや、それに関連する契約書、注文書、通帳のコピーなどが、経験を裏付ける証拠となります。10年以上前の書類が残っていたおかげで、スムーズに許可が下りたというケースは珍しくありません。

処分する書類、残すべき書類の仕分け方

すべての書類を残しておくのはスペースの問題など物理的に困難なときもあるでしょう。
そこで、以下のように仕分けを行うことを推奨します。

残すべき書類

・建設業許可申請書の控え
・変更届(決算報告、役員変更、技術者変更など)の控え
・許可通知書(原本)
・営業所技術者(専技)の実務経験を証明した際の裏付け資料

これらは、その会社の歴史そのものです。許可の継続性を示すために、創業時からのものをセットにして保管しておくのが理想です。

5年~10年を目安に整理してよい書類

・個別の工事の注文書・請書・契約書
・日々の入出金伝票や領収書

これらも経理上の保存義務(法人税法等で7年~10年)があるため、建設業法だけではなく、税務面での確認も併せて行う必要があります。

賢い管理方法!?電子保存のススメ

書類の保管で解決する方法として、電子データ化が挙げられます。

➀スキャンしてPDF化する

過去の申請書類の控えを全てスキャンし、クラウドストレージや外付けHDDに保存します。

➁検索しやすいファイル名をつける

例えば、「20260401_決算変更届_第〇期」といった様に、日付と内容をセットにすることで、必要な時にすぐ取り出せます。

➂紙の原本は直近2回分(約10年分)に絞る

データ化さえ済んでいれば、古い紙の書類を処分する心理的なハードルも下がります。

まとめ

建設業許可書類の保存は、事務作業に留まらず、いつでも自社の適格性を証明できる状態にしておくという意味でも、リスクマネジメントになっています。

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古い書類が山積みで手が付けられない・・

当事務所は、次回の更新を見据えたアドバイスまでトータルでサポートしております。
大切な許可を守るために、今日から書類管理を見直すことが肝要です。
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グラス湘南行政書士事務所