産業廃棄物の取得後に最も重要と言っても過言ではないのが、マニフェスト(産業廃棄物管理票)制度の適切な運用です。
名前はよく聞くけど、内容が良く分からないという方のために、今回はマニフェスト制度の核心と、昨今導入が進んでいる電子マニフェストについて解説します。
マニフェスト制度とは?廃棄物の履歴書
マニフェスト制度とは、排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に、廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名などを記載した伝票(マニフェスト)を交付し、処理の流れを最後まで把握するための仕組みです。
なぜこの制度が必要なの?
以前は廃棄物の不法投棄が深刻な社会問題となりました。排出事業者が業者に渡した後の記録は残らず、悪質な業者が山林や海に廃棄物を捨ててしまう事例が多発したのが発端です。
これらを防ぐため、1997年の廃棄物処理法改正により、すべての産業廃棄物においてマニフェストの交付が義務付けられました。現在では、最後まで適正に処理されたことを確認するまでが排出事業者の責任となっています。
不法投棄防止!マニフェストの仕組み
マニフェストは、廃棄物と一緒に移動します。
➀排出事業者がマニフェストを発行し、運搬業者に渡す。
➁運搬業者は運搬終了後、写しを排出事業者に返す。
➂処分業者は処分終了後、写しを排出事業者に返す。
このように、各工程で業務完了という報告が戻ってくることで、排出事業者は自身の廃棄物が、計画通りに処理されたことを確認できるのです。
もし、一定期間を過ぎても報告が戻ってこない場合は、排出事業者は速やかに状況を確認し、都道府県知事(神奈川県内であれば県知事や横浜市長・川崎市長など)に報告する義務があります。この監理の目があるからこそ、不法投棄を未然に防ぐことができるのです。
現在の主流?電子マニフェストの導入メリット
マニフェストには、従来の複写式の紙媒体と、情報処理センターを介した電子マニフェストの2種類があります。
昨今、電子マニフェストの導入が急速に進んでいます。というのも、2020年4月から前々年度の特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業場に対して、電子マニフェストの使用が義務化されたからです。
電子マニフェストとは、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが運営する、全国一律のシステムです。排出事業者、収集運搬業者、処分業者の3社がコンピューターネットワークを通じて情報を共有します。
義務化対象外の事業者にとっても、電子化には大きなメリットがあります。
電子マニフェストを引用・活用するメリット
事務作業の効率化
紙マニフェストのように5年間の保管場所を確保する必要がありません。データはすべて日本廃棄物処理振興センターのサーバーに保存されます。
報告義務の免除
毎年6月末までに提出が必要な産業廃棄物管理票交付等状況報告書の提出を、情報処理センターが代行します。
法令遵守(コンプライアンス)の強化
記載漏れをシステムがチェックするため、形式的な不備による法令違反を防げます。また、処理終了報告の確認期限が過ぎた際のアラート機能もあり、リスク管理に最適です。
産廃業許可とマニフェストの密接な関係
万が一、委託した先で不法投棄が発生し、その際にマニフェストが適切に運用されていなかった場合、排出事業者だけではなく、関わった収集運搬業者も厳しい罰則(措置命令や許可取消、罰則など)を受ける可能性があります。
神奈川県内でも、許可行政庁のチェックは年々厳しくなっています。適正なマニフェスト運用は、単なる事務作業ではなく、会社の信頼を守るための防衛策なのです。
まとめ
マニフェスト制度は、一見すると面倒な手続きに見えるかもしれません。しかし、日本の環境を守り、皆様の事業を持続可能なものにするためには欠かせない制度といえます。
産廃業許可の申請などでお悩みの方は、ぜひ一度、当事務所へご相談ください。複雑な書類作成や申請をお任せください。
「グラス湘南行政書士事務所」