平成28年に建設業許可で転換点となった改正がありました。その改正は解体工事が新たな業種として独立したことです。以前は、とび・土工・コンクリート工事に含まれていましたが、現在は独立した一つの専門工事として扱われています。
しかし、実務の現場では解体内容がとび、土工なのか、リフォーム時の解体の取扱いなど、今だに疑問が絶えないという事です。
今回は、解体工事の定義や混同しやすい他の業種との違いについて解説します。
解体工事の定義とは?
建設業許可における解体工事とは、一言でいうと工作物の解体を行う工事を指します。
具体例としては、以下のような工事が該当します。
・家屋・ビルの取り壊し
・工作物(煙突、擁壁など)の解体
・内装解体(スケルトン工事など)
ここで重要なのは、建築物の一部を壊すだけではなく、最終的には更地にする、あるいは構造物そのものを消滅させるという要素が強い点です。
解体工事と混同しやすい業種
解体工事を理解する上で、注意が必要なのが他の業種との境界線です。特によく比較される3つの業種を見ていきましょう。
➀とび・土工・コンクリート工事(とび・土工)
平成28年までは解体工事が含まれていたため、今でも混同されがちです。
解体工事
建物そのものを取り壊して更地にすることが目的。
とび・土工
杭打ち、足場組み、土砂の掘削などが主。また、建築物でない工作物の解体、例えば、ガードレールの撤去や舗装の剥離などは、内容によってはこちらに含まれることがあります。
➁建築一式工事・土木一式工事
一式工事の許可を持っていれば、解体工事もできるという誤解が多いのですが、一式工事であっても、500万円以上(税込)の解体工事を単体で請け負う場合は、解体工事の許可が必要です。
元請けとして全体のマネジメントをするのが一式工事であり、解体そのものを専門として請け負う場合は、専門工事の許可が必要になるのが原則です。
➂大工工事・内装仕上工事
例えば、キッチンを新しくするために古いキッチンを解体する場合、これは内装仕上工事に附随する工事とみなされます。この場合、解体工事の許可は不要です。
一方、リフォームといっても建物の構造部分を大きく取り壊すような大規模なスケルトンリフォームで、解体費用が膨大になる場合は、解体工事の許可が必要になるケースがあります。
解体でも許可と登録の違い
| 区分 | 解体工事業登録 | 建設業許可(解体工事業) |
| 請負金額 | 500万円未満(税込)のみ | 制限なし |
| 有効範囲 | 各都道府県ごとに登録が必要 | 全国どこでも施工可能 |
| 根拠法 | 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(リサイクル法) | 建設業法 |
例え、軽微な工事しか行わない場合でも、解体業を営む以上、必ず登録は必要です。無登録、無許可での営業は厳しい罰則の対象となります。
解体工事の営業所技術者(専技)になれる資格
解体工事の許可を取得するためには、営業所に技術者(専技)を置く必要があります。解体工事は比較的新しい業種であるため、資格要件には注意が必要です。
主な資格は以下の通りです。
・1級・2級土木施工管理技士
・1級・2級建築施工管理技士
・技術士
・解体工事施工技士
解体工事施工技士は注目の民間資格で、この資格のみで営業所技術者(専技)になることができます。
以前のとび・土工の経験で解体工事の営業所技術者(専技)になるには、実務経験の内容が解体に関するものであることを細かく証明する必要があります。また、土木や建築の施工管理技士資格をお持ちの場合でも、合格年次によっては解体工事に関する講習を受講していることが必須条件となる場合があります。
まとめ
昨今、空き家問題や老朽化ビルの増加に伴い、解体工事の需要は年々高まっています。それと同時に、廃棄物処理法やアスベスト規制など、コンプライアンス(法定遵守)への目も厳しくなっています。
最近の傾向として、元請会社から500万円未満(軽微な工事)であっても、コンプライアンスの観点から建設業許可を持っていることが発注条件となっているケースが増えています。受託機会を逃さないよう、早めの準備が肝要です。
建設業許可の申請、業種追加をご検討中の方は、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。貴社の実務経験を精査し、最適な許可取得をサポートいたします。
「グラス湘南行政書士事務所」