宅建業は、事務所の移転や専任の宅建士の交代など、さまざまな変更が発生します。これらの変更があった際、避けて通れないのが宅建業法第9条に基づく変更届の提出です。
特に第三面(事務所・政令使用人)と第四面(専任の宅建士)は、記入箇所が複雑で、書き方を間違えると補正の対象となりやすい項目です。
今回は、神奈川県の手引きを基づき、実務で迷いやすい第三面と第四面の書き方のポイントを解説します。

変更届の基本ルール:期限は30日以内

前提として、宅建業の名簿事項に変更があった場合、変更日から30日以内に届け出る必要があります。
期限を過ぎると遅延理由書が必要になる場合がありますので注意しなければなりません。また、変更してあまりに放置していると指導の対象にもなり得ます。変更が決まったら、速やかに書類を作成しましょう。

第三面 事務所に関する事項の書き方(項番31)

第三面は、事務所の新設、廃止、名称変更、所在地変更などを行う際に使用します。

基本項目(項番30)

まずは最上段の項番30に、変更にかかる事務所の本店か支店の別と、名称を記入します。ここは必須項目となります。

事務所の移転・名称変更(変更区分「2」)

事務所の場所が変わったり、社名変更に伴い事務所名が変わったりした場合は、変更区分に「2」を記入します。

・「変更後」と「変更前」の両方を記入:どこからどこへ変わったのかを明確にします。
・所在地の書き方に注意:手引きの重要ポイントですが、所在地欄には「都道府県」や「市区町村名」は記入せず、市町村名の次に続く町名から記入します。例えば藤沢市湘南台1の場合は、湘南台1から書き始めるといった具合です。

・電話番号:市外局番、市内局番、番号をハイフンで区切り、左詰めで記入します。

事務所の新設・廃止(変更区分「1」)

支店を増やしたり、逆に閉鎖したりする場合です。

・新設の場合:「変更後」の欄のみ記入します。
・廃止の場合:「変更前」の欄のみ記入し、廃止年月日を忘れずに書きましょう。

事務所を廃止する場合、その事務所にいた政令の使用人や専任の宅建士も同日付で退任の記載が必要になります。

第三面 政令第2条の2で定める使用人の書き方(項番32)

いわゆる支店長などの政令使用人に変更があった場合です。

・交代(就退任)の場合:変更区分「1」を記入し、新しい人の情報を変更後に、退任する人の情報を変更前に記入します。
・氏名変更の場合:婚姻などで氏名が変わった際は、変更区分「2」を記入し、新旧の氏名を記入します。

第四面 専任の宅地建物取引士に関する事項(項番41)

第四面は、宅建業者の要件として最も重要な専任の宅建士に関するページです。

専任の宅建士の就退任と増員

専任の宅建士が入れ替わる、あるいは増える場合の書き分けがポイントです。

①交代(入れ替わり):変更区分「1」を記入し、上段(変更後)に新任者、下段(変更前)に退任者を記入します。
②新しく追加(増員):変更区分「1」を記入し、「変更後」の欄のみ記入します。
③減員(退職のみ):変更区分「1」を記入し、「変更前」の欄のみ記入します。

氏名変更

専任の宅建士が改姓した場合は、変更区分「2」を記入し、新旧の氏名を併記します。
専任の宅建士が事務所間を異動し、引き続き専任の宅建士として就任する場合は、添付書類である略歴書を省略できる場合があります。

意外と忘れがちな添付書類のチェック

書類の書き方だけではなく、変更内容に応じた添付書類を揃える必要があります。

事務所移転の場合

①事務所の写真(外観、入口、内部など)
②事務所の平面図
③事務所を使用する権原を証する書面(賃貸借契約書など)
④案内図(地図)

専任の宅建士変更の場合

①専任の宅建士の身分証明書(本籍地の市町村発行のもの)
②登記されていないことの証明書(法務局発行のもの)
③略歴書

特に写真は居住スペースと完全に分離されているか、事務所として独立しれいるかを審査される重要な資料です。

まとめ

宅建業の変更届(第三面・第四面)は、新旧の情報をどこに書くかと独自の記入ルールを正確に把握することが肝要です。
書類の不備で何度も行政庁に足を運ぶのは避けたいという方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
グラス湘南行政書士事務所