産業廃棄物収集運搬業の許可申請は、準備する書類が多く、また記入内容も細かいため、初めて挑戦される方には非常にハードルが高く感じられるものです。
今回は、神奈川県で産廃収集運搬業(積替保管を除く)の新規許可申請を行う際の申請書の書き方について、行政書士の視点から解説します。
【第1面】事業の全体像を正確に記載する
※産業廃棄物・特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可申請等の手引き 引用

第1面は、いわば申請書の顔といえます。ここでは誰が、どこで、どのような規模で事業を行うのかを明記します。
宛名と申請者情報
宛先:神奈川県知事 殿
住所・氏名:法人の場合は、履歴事項全部証明書の通りに、間違えのないように記入します。一語一句、履歴事項全部証明書の記載通りに記入しましょう。例えば、株式会社を㈱と略するのもNGです。
事業の範囲
取り扱う産業廃棄物の種類を記入します。通常は「詳細は別紙のとおり」と記入し、後述する「別表」で詳細な品目を指定します。また、今回は積替保管を除く様式ですので、積替え・保管はなしと記載されます。
事業所及び事業場の所在地
事務所:事務作業を行う場所です。
事業場:車両を駐車する車庫の所在地を指すのが一般的です。
事業の用に供する施設
収集運搬車両の合計台数:使用するトラックの台数を記入します。
運搬容器:汚泥や廃油など、飛散・流出の恐れがあるものを運ぶ場合に「有」とし、その種類(ドラム缶、コンテナ等)を事業計画書で補足します。
【別表】取り扱う「品目」の選択
別表では、20種類の産業廃棄物の中から、実際に運ぶものに「〇」を付けていきます。
品目選びの注意点
①石綿(アスベスト)含有産業廃棄物
廃プラスチック類、ガラスくず、がれき類などに含まれる場合があります。取り扱う場合は必ずチェックが必要です。
②水銀使用製品・水銀含有ばいじん等
蛍光灯や水銀体温計などを運ぶ場合は、該当欄にチェックを入れます。
③新規申請の場合
「取り扱い有無」欄に「〇」を記入します。「◎」は更新申請時に既許可品目を示す際に使います。
とりあえず全部に〇を付けたいというご要望もあるかと思いますが、その品目を運ぶための車両や容器、知識があるかが問われますので、実態に即した選択が必要です。
【第2面・第3面】関係者の情報を網羅する
ここでは、申請者(法人)の役員や株主、重要な使用人の個人情報を記載します。
役員・株主の記載
役員(取締役・監査役)
登記されている役員全員の氏名、生年月日、本籍地、住所を記入します。
株主・出資者
発行済株式総数の5%以上を保有する株主を記入します。法人が株主の場合はその法人情報を、個人の場合は個人情報を記入します。
本籍の記載について
よくある間違いが、住所と同じ場所を書いてしまうケースです。ここでの本籍は、住民票や戸籍謄本に記載されている本籍地である必要があります。都道府県名から正確に記入しましょう。
失敗しないためのチェックポイント
①欠格要件に該当しないか
役員や5%以上の株主の中に、過去に罰金刑以上の刑に処せられた方や、暴力団員の方がいると、欠格要件に該当してしまい、どれだけ書類が完璧でも許可は下りません。
②講習会の修了証は有効か
新規申請には、日本産業廃棄物処理振興センター(JWNET)が実施する許可申請に関する講習会の修了証が必要です。
法人の場合は、代表者または業務を担当する役員が受講している必要があります。有効期限が切れていないか確認してください。
③経理的基礎(財務状況)の確認
直近3期分の決算書をチェックします。債務超過に陥っている場合などは、改善計画書などの提出を求められることがあり、要件を満たす難易度が上がります。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業の申請書は、シンプルに見えますが、記入する為の裏付け資料として、住民票、登記簿、車検証、写真、講習会修了証など、様々な添付資料との整合性が、厳しく審査されます。
特に、神奈川県の場合、事前の予約や書類の並べ方にも独自のルールがあります。書類の不備でも何度も窓口に足を運ぶことになってしまったり、許可が下りるのが遅れて、予定していた仕事に間に合わないなどの事態を避けるためにも、丁寧な作成を心がけることが肝要です。
具体的なお悩みがある方は、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」