公共工事入札参加資格の取得後は、最も会社の状況が変化しやすい時期といえます。この時期に良く陥りがちな注意点として「名簿登録内容の変更」手続きがあります。
この手続きを怠ると、取得した資格が一時停止になったり、最悪の場合は指名停止や失効につながるリスクがありますので注意が必要です。
今回は、入札資格取得後、どのように変更手続きをするべきか、リスクとともに解説します。

「名簿登録内容の変更」を怠るリスクとは?

入札に参加する直前でいいだろう・・

次回の定期申請(継続申請・更新申請)の時でいいだろう・・

・・と考えるのは非常に危険です。入札参加資格審査申請は、申請時点の会社の情報を元に評価・格付けを行うものです。その情報に誤りがあれば、公正な競争入札の原則が崩れてしまいます。

軽視できない!名簿登録内容の変更を怠った際のリスク

指名停止・入札参加資格の一時停止

登録情報に虚偽または重大な誤りがあると判断された場合、各自治体や発注機関は、競争入札参加資格者名簿からの削除、あるいは一定期間の指名停止処分を課すことができます。

契約の解除・損害賠償請求

落札や契約後に、資格審査の前提となる情報が虚偽であったことが判明した場合、契約の解除はもちろん、発注機関から損害賠償を請求される可能性もあります。

信頼の失墜

公共工事は、地域社会の信頼の上に成り立っています。一度の手続き漏れが、企業のコンプライアンス意識の低下と見なされ、その後の入札機会に大きな影響を及ぼします。

根拠となる法律・条例の規定

多くの発注機関(国、都道府県、市町村)では、「競争入札参加資格者の名簿登録内容の変更届出に関する要綱」や、それに準ずる条例で、変更が生じた場合の速やかな届出義務を定めています。
多くの場合、変更が生じた日から「〇日以内」という具体的な期限が設けられておりますので、明確に認識しておくことが肝要です。

いつ、どんな時に届出が必要か?変更手続きが必要なケース

入札参加を取得した直後はもちろん、その後も継続的に会社の情報を最新に保つ必要があります。ここでは、特に入札資格取得後の初期段階と、事業運営上で発生しやすい変更事項を分類します。

企業情報に関する変更事項

これらの情報は、企業の同一性に関わる重要な事項です。変更後は、登記簿謄本や許認可証の変更と同時に、速やかに手続きを行う必要があります。

会社名(商号)の変更

事業承継などで会社が変わった場合、全ての発注機関への届出が必要です。

代表者(役員)の変更

代表取締役の交代、重要な役員の就任・退任は、企業の経営体制に直結するため重要です。

本店の所在地(住所)の変更

会社の本拠地が変わった場合、郵送物や緊急連絡の送付先に関わるため、速やかな対応が必要です。

連絡・入札実務に関する変更事項

これらの変更は、入札情報や指名通知の見落としを防ぐために不可欠です。

登録している連絡先(電話番号、FAX番号、メールアドレス)の変更

特にメールアドレスは、電子入札システムにおける重要な通知先となるため、速やかな変更が必要です。

使用印鑑の変更(入札に使用する実印、届出印)

入札書や契約書に使用する印鑑が変わった場合、その印鑑が有効でなければ入札そのものが無効になります。

経営事項審査・許可に関わる変更事項

建設業許可の変更(許可番号、業種の追加・廃止など)

新たに特定建設業の許可を取得または新たな業種を追加したなど、経営事項審査(経審)の点数や格付けに影響する変更は、速やかな届出が必要です。

具体的な手続きの流れと注意点

手続きは、基本的に入札資格を取得した各発注機関(国、都道府県、市町村、公社・事業団など)ごとに行う必要があります。

手続きの流れ

変更事項の確定と必要書類の収集

何を、いつ、変更したのかを確定します。変更内容に応じて、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)、印鑑証明書、委任状、変更後の建設業許可証の写しなどが必要になります。

各発注機関の要綱確認

発注機関ごとに様式や提出期限が異なります。「競争入札参加資格者名簿変更届」のような名称で、各機関のホームページで確認してください。

変更届出書の作成・提出

所定の様式に記入し、必要書類を添付して提出します。電子申請システムでの変更入力が必要な場合もあります。

提出後の確認

受理されたことを確認し、変更後の名簿内容に正確に反映されているかを確認します。

3つの注意点

提出期限の厳守(「〇日以内」に注意!)

多くの自治体では、変更日から30日以内であったり、変更登記完了日から14日以内などの明確な期限を設けています。この期限を過ぎると、手続きの遅延と見なされてしまいますので注意が必要です。

委任状の再提出が必要なケース

支店長や営業所長へ入札権限を委任している場合、代表者や役員が変わると、以前の委任状は無効になることがありますので、新しい委任状を提出し直す必要があります。

経審結果の変更は別途「再審査」を要する

建設業許可の追加など、経審点(P点)に影響する変更があった場合、名簿変更だけではなく、入札時期によっては再審査の申立てが必要になる場合があります。

まとめ

入札参加取得を維持、活用し続けるためには、正確な情報管理が不可欠といえます。
「名簿登録内容の変更」手続きは、現時点でも、資格審査時の要件を満たし続けている事業者であることを、公的に証明するものです。
当事務所では煩雑で多岐にわたるこれらの変更手続きを代行いたします。お気軽のご連絡ください。
グラス湘南行政書士事務所