(1)建設業とは?


ここで改めて建設業の定義についてですが、建設業法第2条2項に記載があります。
(定義)
第2条 
2 この法律において「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。

ざっくり言うと、継続的に商売として元請、下請けの立場で仕事(工事)の完成を約束し、その仕事(工事)の結果に対して、報酬を与えるという「請負契約」を結んで行われる業のことをいいます。

(2)建設工事に該当する工事とは?


建設業法における「建設工事」とは、工作物の新築、増改築、修繕または除去を行う工事全般を指します。建設工事の種類は29種類あります。例えば、道路や橋などの工事は土木工事、家の内装を変える工事は内装仕上工事やリフォーム工事に該当し、電気ガス、水道等のライフラインを設置する工事は管工事、防水工事となります。

一方、建設工事に該当しない業務とは、工事の前段階で行われる調査、測量や建設資材の運搬のみを行う場合や造園工事に該当しない、単発的な植栽業務、草刈り、伐採、除草、建物の定期的な清掃やメンテナンス業務などが挙げられます。

(3)軽微な工事?許可が不要な工事とは?


今回の本題ですが、そもそも建設業許可が不要な工事とは何でしょうか?

これは建築一式工事建築一式以外の工事に分けられます。
建築一式工事:下記のいずれかに該当する場合
1 一件の請負代金が1,500万円未満の工事(消費税込み)
2 請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事(主要構造部が木造で、延べ面積1/2以上を居住用とするもの)
建築一式以外の建設工事:一件の請負代金が500万円未満の工事(消費税込み)

一式工事とは、複数の専門工事を組み合わせて、一つの建物を完成される大規模で複雑な工事を指します。前述した建設業法で定められた29の業種の一つです。厳密には2業種の一式工事27業種の専門工事に分かれます。建築一式工事は土木一式工事と並ぶ2業種の一式工事です。
建築一式工事:住宅、ビル、施設など建築物全般を総合的に建設する工事
土木一式工事:道路、橋、ダム、トンネル等、土木工作物全般を総合的に建設する工事
どちらも総合的な企画・指導・調整のもとに、複数の専門工事を組み合わせて一つの工作物を完成させる工事であり、一式工事は原則、元請業者が対象となります。
例えば工務店が個人住宅の建築全般を請負うのが「建築一式工事」で、その工務店から依頼を受けて、電気配線のみを行うのが電気工事という「専門工事」にあたります。

(4)結論、建設業許可は必要?


建設業許可が必要か否かについては、請負う工事の内容や規模によって許可が必要かどうか決まるということです。実際、「軽微な工事」しか請け負わないという方であれば建設業許可は不要といえます。
しかし、「軽微な工事」しか行わない場合でも、建設業許可を取得するメリットはいくつかあります。これは将来的な事業拡大や経営の安定性を確保するための投資と考えることができるからです。
建設業許可を取得するメリット                                    メリット1:会社の信頼性・信用力の向上
建設業許可取得には様々な厳しい要件をクリアする必要があります。この許可を取得していることは、これらの基準をクリアしていることの証明になり、対外的な信頼、信用が向上すると言えます。
メリット2:事業の拡大が期待できる
現状は「軽微な工事」のみを請け負っていても、将来的にはより規模の大きな仕事の依頼が舞い込む可能性が十分あります。その際、許可がないと受任のチャンスを逃すことになります。また、これは消極的な理由になりますが、建設業許可取得が請け負いの条件になっている場合があります。元請業者としても下請けに工事を委託する場合、その業者が許可取得していることによって安心して任せることができます。このことから、元請業者から許可取得を条件とされているケースがあります。                                                メリット3:公共工事への参加
公共工事への参加は建設業許可が必須となります。公共工事を受任できれば、安定的な売上が見込めるため、事業拡大、安定経営に大きなメリットとなります。

これらの理由から、将来を見据えて建設業許可を取得することは、事業の発展と経営基盤の強化につながると言えます。当事務所では建設業許可の申請を代行します。お気軽にご相談下さい。

グラス湘南行政書士事務所