建設業を営むにおいて監理技術者資格者は、非常に重要な役割を担います。
この資格がなぜ必要とされ、どんな工事に配置が義務付けられているのか?監理技術者の定義と配置義務、また監理技術者資格証についても触れていきます。

ちなみにアイキャッチ画像は、私の似顔絵を貼り付けていますが、私は監理技術者資格者ではありません。文章が堅苦しいので、たまに遊び心を出してしまう私をお許しください。

監理技術者資格証とは?

「監理技術者資格証」とは、建設業における重要なポジションである「監理技術者」としての資格を有していることを公的に証明するためのものです。
これは、一般社団法人建設業技術センターによって交付されています。

(1)監理技術者の役割と資格証の意義

監理技術者とは、一定規模以上の元請負工事(発注者から直接請け負った工事)において、現場に専任に配置され、施工計画の作成、工程・部品・安全管理など、工事全体の技術上の管理を担う、現場の最高責任者といえます。
監理技術者が持つ、この資格証はその技術者が、該当する建設業種(土木・建築、電気など)において、監理技術者となるための国家資格(1級施工管理技士など)や実務経験といった要件を満たしていることが重要です。

(2)資格証が必要となる主な要件

監理技術者として工事現場に配置されるには、単に国家資格を持っているだけではなく、以下の要件を満たすことが建設業法で義務付けられています。
・監理技術者資格証の交付を受けていること
・監理技術者講習を修了していること
・当該建設業者と直接的かつ恒常的に雇用関係にあること

(3)配置が義務付けられる工事の規模

以下のいずれかに該当する重要な工事には、監理技術者を専任で配置しなければなりません。
・請負代金の額が4,500万円以上(建築一式工事の場合は9,000万円以上)の公共性のある重要な建設工事
・下請契約の請負代金の総額が、5,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上)になる工事

(4)資格証の携帯義務

監理技術者は、工事現場において常にこの資格証を、携帯することが義務付けられています。発注者から請求があった場合は、いつでも掲示できなけければなりません。
資格証は、監理技術者の資格(該当する建設業種の1級国家資格など)を有する技術者が、建設業技術者センターに申請をし、審査基準への適合が認められた場合に交付されます。

(5)資格証の確認事項

資格証には、29業種(土木大左と石屋など)が記載されており、その資格を保有している業種には「1」、保有していない業種には「0」と表示されます。
資格証をみれば、その技術者がどの建設業種で監理技術者として配置可能なのか一目で分かるようになっています。

(6)資格を維持するための必須要件

資格証の交付を受け、現場に専任で配置される場合、資格証の交付だけではなく、「監理技術者講習」を修了していることが必須条件となります。

(7)講習の実施期間

監理技術者講習は、建設業技術者センター自身が行うものではなく、国土交通大臣の登録を受けた登録管理技術者講習実施機関(建設業振興研修センター)で受講する必要があります。

(8)監理技術者資格者証の重要性

監理技術者資格者証は、会社の競争力と信頼性に直結する重要な要素となります。

・会社の競争力向上

大規模工事の入札において、監理技術者の配置は必須条件です。監理技術者が社内に多く在籍していることは、企業の施工能力の高さの証明であり、公共工事や民間の大型工事の受注機会を拡大します。
また、経営事項審査(経審)において、監理技術者の資格は技術力評価の項目で加点対象となり、企業の格付け向上に寄与します。

・適正な施工体制の確保と法令遵守

監理技術者は、現場の適正な施工体制を構築し、建設業法をはじめとする各種法令を遵守する責任を負います。監理技術者が現場を管理することで、手抜き工事や法令違反のリスクを最小限に抑え、工事の品質と安全性を保証します。
万一、資格のない者が不適正に監理技術者として配置された場合、建設業法違反として、営業停止処分などの厳しい行政処分を受ける可能性がありますので注意が必要です。

まとめ

監理技術者証は、単なる証明書ではなく、大規模な工事現場において品質・安全を管理する能力と責任を証明するものでもあります。この資格を持つことで、会社として大きな工事を受注でき、技術者ご自身もキャリアアップに繋がるといえます。

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グラス湘南行政書士事務所