建設業許可の申請書類は、紙媒体での分厚いファイルで保存されている建設業者様がほとんどではないでしょうか。
しかし、2023年1月から本格始動した「建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)」により、建設業許可のオンライン化が加速しています。
この仕組みがさらに進化し、完全にオンライン化が実現したら今後どのようにかわるのでしょうか。

今回は神奈川で建設業許可を取り扱う行政書士が予測します。

移動時間と待ち時間がなくなる

これまで許可申請の日は一種のイベントでした。
用意した書類を持ち込み、管轄の許可行政庁へ向かう。混雑していれば待ち時間が発生することもあります。また書類に不備が見つかれば、その場で修正できることもあるのですが最悪の場合、持ち帰りとなり後日提出し直すこともあります。

完全オンラインにより24時間365日、事務所から申請可

窓口の閉庁時間を気にする必要がありません。

移動というコストの消滅

往復の交通費、ガソリン代、そして何より貴重な時間が節約されます。

即時の不備指摘と修正

システム上でのチェック機能により、形式的なミスはその場で指摘され、修正して再送信するだけで済みます。

添付書類の自動連携で負担が激増する?

建設業許可申請において、最も手間がかかるのが役所から取り寄せる書類です。
主には、納税証明書、履歴事項全部証明書、身分証明書、登記されていないことの証明書など、これらを集めるために、法務局や市役所を回る作業が生じています。

完全オンライン化後は?

行政のマイナポータルや法人共通認証基盤GビズIDとの連携が深まれば、書類を添付するという概念そのものがなくなる可能性があります。
システム上で同意ボタンを押すだけで、行政側が必要な情報を直接参照する。そうなれば、私たちがこれまで何日もかけて収集していた書類が、数クリックで揃うようになる可能性があります。

情報の見える化で経営判断がスピードアップ?

これまでの紙ベースの申請では、現状の許可状況や過去にどんな変更届を出したかを確認するには、自社で保管している副本を引っ張り出すしかありませんでした。

完全オンライン化後は?

自社の許可状況、過去の経営事項審査(経審)の結果、技術者の配置状況などが、すべてクラウド上で一元管理されます。
次の更新時期や経審の点数を上げるために何が足りないのか、といった情報をリアルタイムで把握できれば、経営の意思決定はより正確でスピーディーなものになります。

オンライン化による行政書士の必要性

そんなに便利になったら行政書士に頼む必要がなくなるのでは・・
このような意見もありますが私の答えは、だからこそ行政書士の知見が必要になります。
確かに、書類作成や提出を代行する作業の価値は下がるかもしれません。しかし、建設業法は非常に複雑です。オンライン化されても、以下の課題は残ります。

どの業種で許可を取るべきかという判断

500万円以上の工事を請け負うためだけではなく、将来の公共工事受注を見据えた業種選択は、システムが教えてくれるわけではありません。

実務経験の高度な立証

オンラインになっても、これまでの経験をどう証明し、許可行政庁に納得してもらうのかという法的構成のスキルは不可欠です。

コンプライアンス遵守の徹底

法改正が激しい建設業界において、常に最新の情報をキャッチアップし、会社を守るためのアドバイスを行うパートナーとしての役割は、AIやシステムには代替できません。
むしろ、事務作業が簡略化されることで、お客様の経営課題に深く踏み込んだコンサルティングにより多くの時間を使えるようになると考えます。

まとめ

建設業許可の完全オンライン化は、手続きの変更のみにならず、建設業界全体がDX(デジタルトランスフォーメーション)を成し遂げ、より生産性の高い業界へと進化するための一歩といえます。
電子申請の導入(GビズID取得など)で戸惑うことがあれば、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。皆様の新しい門出を全力でサポートいたします。
グラス湘南行政書士事務所