CCUS(建設キャリアップシステム)とは?

CCUS(建設キャリアップシステム)とは、ざっくりいうと技能者の情報を一元管理するシステムのことです。

CCUSは「技能者の見える化」を目的としており、技能者の保有資格、就業履歴、社会保険加入状況などを、一人ひとりに紐づけられたICカード(CCUSカード)に登録・蓄積します。

CCUSが生まれた背景

建設業界では、高齢化や若手の人材が不足しており、人材確保が喫緊の課題となっています。

このシステムは技能者一人ひとりの就業履歴や資格、経験をデータ化し、公正な評価と適切な処遇へとつなげることを目的としています。

CCUSの概要

CCUSは、技能者と事業者の両者がシステムに登録しなければなりません。技能者は登録するとICカードが発行されます。このICカードを現場ごとのカードリーダーにかざすことで就業履歴が記録、蓄積される仕組みです。
事業者は登録した技能者の就業履歴や保有資格を確認でき、人材配置や労務管理が効率的に行うことができます。また、公共工事の際には登録状況や技能が客観的に証明できます。

CCUSのメリット・デメリット

メリット
技能者の処遇改善
就業履歴や資格が客観的にデータ化されることにより、経験や技能の応じた賃金や評価を受けやすくなります。
事業者の管理面の効率化
ICカードの導入により、現場での入退場管理ができ、労務面、勤怠面の効率化につながります。また、新規で取引する下請業者の技能者スキルも確認できるため、円滑な取引につながります。
業界のイメージ向上
経験や能力が正当に評価される仕組みが確立することで、建設業界の多忙なイメージを払拭し、イメージ向上に繋がります。この制度により、若手の入職希望者の増加が期待されています。

デメリット
コストと導入の手間
登録料やカードリーダー導入の手間など、なにかとコストや手間がかかります。特に一人親方のような小規模な事業者にとっては、登録手続きやシステム導入、運用に負担を感じる方もいらっしゃるでしょう。
業界全体で普及される課題
デメリットといってよいのか疑問ですが、まだ一部の現場や事業者では導入が進んでいないのが現状です。2025年7月時点では約170万人が登録しており、おおよそ半数を超える導入割合となっています。事業者においては約30万社程が登録しており、このうち10万社ほどが一人親方である個人事業主の方です。
情報管理の課題
就業履歴は個人情報が含まれており、情報漏洩や不正利用のリスクがあります。情報管理が課題となっており、厳重な対策が求められます。

CCUSの今後の流れ

CCUSへの登録自体はまだ任意ですが、公共工事の受注要件にCCUSの活用が盛り込まれるなど、事実上、義務化に近い普及が進んでいます。スマートフォンの登録や他のシステムとのデータ連携機能が追加されてきており、CCUS導入のハードルも下がっています。
CCUSの本来の目的である「技能者の適正な能力評価」に有効に機能するためには、登録だけではなく、現場での運用をより一層浸透させていくことが課題といえます。
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グラス湘南行政書士事務所