建設業許可は5年ごとの更新が義務付けられていますが、日々の忙しい業務の中で、手続きを失念してしまうケースがあります。
しかし、一度失効してしまった許可は更新することができません。
今回は、神奈川県で建設業許可を取扱う行政書士が、許可が失効してしまった場合の影響と再取得に向けた具体的なステップを解説します。
建設業許可の失効とはどういう状態?
建設業許可の有効期限を過ぎた瞬間、その許可は自動的に効力を失ってしまいます。
うっかりであっても、猶予期間は一切ありません。許可が切れた翌日からは、無許可営業として扱われることになります。
失効による影響
500万円以上の工事が行えない
建設業法上の軽微な建設工事以外の請負契約を締結することができなくなります。
許可業者としての信用喪失
無許可状態であることが元請業者や金融機関に対し、取引停止や融資条件の変更など、事業上の大きな影響を受ける可能性があります。
監督処分のリスク
許可が切れているにもかかわらず、許可が必要な規模の工事を継続していた場合、建設業法違反として行政処分を受けてしまう恐れがあります。
許可が失効する前に締結済みの工事については、例外的に施工を継続することができます。ただし、その場合でも2週間以内に注文者へ通知する義務があるなど、厳しいルールが課せられます。
失効した許可は更新できない?
前述した通り、失効した許可を更新することはできません。
更新手続きは有効期間が満了する前に行うものです。期限を過ぎてしまった場合、法的には建設業許可を持っていない状態に戻ることを意味します。
改めて新規の建設業許可を一から申請することになります。
一から申請することの影響
過去の許可番号は消滅
新たに申請することで新しい許可番号が付与されます。
手数料が必要
新規申請には、知事許可であれば通常9万円の手数料が必要です。
要件の再審査
以前は通っていたから大丈夫ということにはなりません。常勤役員等(経営業務の管理責任者)や営業所技術者(専任技術者)など、現在の要件をすべて最新の状態で証明し直す必要があります。
再取得までの具体的なステップ
失効に気づいた場合、以下の手順で対処することが肝要です。
ステップ1:現状の工事状況を確認する
まずは、現在進行中の工事、及びこれから契約予定の工事が軽微な建設工事に該当するかを確認してください。無許可期間中に大きな工事を請け負うことは避けなければなりません。
ステップ2:要件の再確認
許可が失効している間に、会社の体制に変更は生じていないか今一度確認しましょう。特に下記の要件は注意です。
・常勤役員等(経営業務管理責任者)は退職していないか。
・営業所技術者(専任技術者)の資格や実務経験の証明書類は手元にあるか?
・財産的基礎(直近の決算書など)は許可基準を満たしているか?
ステップ3:申請書類の準備
新規申請と同じプロセスですので、多くの書類が必要です。
神奈川県知事許可の場合、神奈川県の公式サイトに掲載されている最新の手引きを確認し、申請書、役員等の一覧表、営業所の写真、技術者の資格証の写しなど、膨大な書類を揃える必要があります。
ステップ4:申請・審査
管轄の都道府県へ申請を行います。審査期間は通常2~3月程度かかります。この期間中は依然として無許可状態となりますので、計画的な準備が求められます。
行政書士へ依頼するメリット
失効後の再取得は、無許可期間に何らかの不適切な工事を行っていなかったかを精査し、行政庁への説明や対応を慎重に行う必要があるケースも多いといえます。
また、行政書士に依頼するメリットには以下のようなものがあります。
➀迅速な書類作成
新規申請は添付書類が多いため、行政書士である専門家に任せることで書類不備による審査の長期化を防げます。
➁要件の整理
万が一、要件を満たせない場合、どのような対策を行えば再取得が可能かという計画を事前に立てることができます。
➂今後のリスク管理
一度失効させてしまったという事実は、今後の公共工事入札などにおいてマイナス評価となる可能性があります。今後の事業計画に沿ったコンプライアンス体制の再構築をサポートします。
まとめ
建設業許可の失効は重大な事態ですが、欠格要件に該当しない限り、新規での再取得は可能です。大切なのは失効していることに気づいた際に、直ちに行政書士へ相談することが肝要です。
昨今、コンプライアンスへの目も厳しくなっています。現在の許可の管理などに不安がある方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
失効を再出発の機会と捉え、万全の体制で許可取得を進めましょう。
「グラス湘南行政書士事務所」